研究課題/領域番号 |
12420014
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会法学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
稗貫 俊文 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (70113610)
|
研究分担者 |
向田 直範 北海学園大学, 法学部, 教授 (90104695)
厚谷 襄兒 (厚谷 襄児) 帝京大学, 法学部, 教授 (90222637)
今井 弘道 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (00093188)
中山 武憲 名古屋経済大学, 法学部, 教授 (40278388)
和田 健夫 小樽商科大学, 商学部, 教授 (20133796)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2002年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2001年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
2000年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
|
キーワード | 東アジア / IMF / 韓国財閥 / アングロ・サクソン / 公正取引委員会 / 経路依存 / 外国直接投資 / 業界団体 / アジア競争法 / アジア的競争原理 / 知的財産権 / 表示規制 / 韓国公正取引委員会 / 中国競争法 / 韓国競争法 / 下請取引 / 独占禁止法 / 公正去来法 / コンプライアンス・プログラム / リニーエンス・プログラム / 不公正な取引方法 / 東アジア経済法制 / 東アジア経済共同体 / WTO / 韓国公正取引法 / 中国経済法 / 東アジア経済法 / サイバースペース / 域外適用 / 競争法 / グローバルスタンダード |
研究概要 |
韓国経済は、この3年間に経済基盤の急激な変化を経験した。それは1997年の通貨危機以降のIMF管理下の制度改革に起因している。韓国では、金融改革、財閥改革が進み韓国独占禁止法の改正も一段落した感がある。金大中大統領の下、急激に進められた改革は、とりわけ外国直接投資の積極的な導入と韓国財閥の解体と再編成を生み出し、会社の経営、企業統治など欧米型の競争的な土壌が形成されつつある。しかしそれが米国型経済システムに接近することになるか否かは、政府主導の経済開発を進めてきたことの歴史的な経路依存から、予断を許さないところがある。日本経済はこの3年間、構造改革が停滞して、長いデフレ不況のなかに置かれている。政府と財界の関係の組み方の組み直し(行政改革、政治改革、規制緩和)が円滑にはすすんでいない。そのなかで、皮肉にも、公正取引委員会の人員と予算は増えており、競争政策は、その重要性が一層高まっている。 日本と韓国は、政府と経済界に密接な関係を保有しながら、その結びつき方について相互に異質な部分を抱えてきた(韓国の大統領と財閥、日本の経済官庁の原局と業界団体)。国家主導の経済発展を遂げた国と地域の特色ある経済法政圏が形成されつつあるということができる。本研究は、韓国と日本の経済法制とその特徴を分析し、アングロ・サクソン型競争原理と異なる、アジア的競争原理の可能性を探索するものであった。その研究過程では、東アジア的競争原理の探求に自由貿易体制の構築へ向けた各国の努力の成果を追うことになった。 アジア的競争原理は、欧米とは異なり、一定の政府と経済界の関係を前提とするものであり、その可能性とは、欧米の競争原理と異なる共同体原哩の追究にあると思われる。しかし、それは欧米の市場原理に対する対抗原理として意味を持ち、独自の原理として生育・自立する原理であるかはまだ即断できない。
|