配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2000年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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研究概要 |
代表者は,ある種のセルバーグ型積分に附随する捻れホモロジーの空間上に岩掘-ヘッケ代数の既約表現を構成することに成功し,ローレンスが1990年に提出した予想の解決を与えた.これはホモロジーのジェネリシティー条件の崩れる場合に初めて生ずる部分空間を旨く取り出すことによって実現されたのであるが,代数幾何学・位相幾何学そして微分方程式論の専門家がいつも避けて来た場合に相当している.ジェネリシティー条件の崩れる場合の研究が多変数の超幾何函数および球函数の解明に必要不可欠であると代表者は常々主張して来たが,今回の進展はそれを裏付けるものと考えたい.代表者は吉田正章(九州大)との共同研究により共形場理論の相関函数に現れる係数が,捻れホモロジーの交差数で表せることを発見した.これにより1984年に発表されて以来謎のままであったドツェンコ・ファテエフの相関函数の係数の意味が明快に説明された.共形場理論の相関函数は交差理論に現れる不変エルミート形式そのものだという結論である.また,この係数を一般的に計算することを模索するなかで,点の配置空間の幾何学的考察,特に寺田モデルが重要であることが分かった.分担者・高田はジョーンズ多項式の複素積分による表示を用いて,カシャエフの体積予想をサポートする数値実験の結果を得た.分担者・黒川は若山正人(九州大)らとの共同研究によりゼータ正規化積を調べ多くの結果を得た.それによると,捻れホモロジーの離散化が構成されてしかるべきのようである.分担者・金子は小池正夫(九大)との共同研究で超幾何函数とモジュラー形式との新しい関係を見出した.
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