研究分担者 |
栄 伸一郎 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 助教授 (30201362)
佐藤 得志 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00261545)
高木 泉 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40154744)
桑村 雅隆 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (30270333)
稲葉 寿 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (80282531)
高橋 勝雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助手 (90114529)
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配分額 *注記 |
10,100千円 (直接経費: 10,100千円)
2002年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2001年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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研究概要 |
反応拡散系に見られる様々な時空間ダイナミクスは,いろいろな自然現象に見られる自発的パターン形成のモデルとなっている.本研究では,解析学的手法と数値的手法を組み合わせて,以下の問題について研究を進めた. 1.shadow systemと呼ばれる縮約系に対して,無限次元力学系の手法を適用して,安定解の空間的単調性を示した.また歪勾配構造をもつ反応拡散系に対し,安定定常解の変分法的特徴付けを得た. 2.ギーラーとマインハルトによって提唱された活性因子・抑制因子型の反応拡散系について,定常解の安定性を調べた.二つの同心球面に囲まれた領域において,抑制因子の拡散係数が無限大になった極限系の定常解のうち,境界上の一点でのみ極大となるものはいずれも適当な条件のもとで安定であることを証明した. 3.反応拡散方程式の定常解は非線形楕円型方程式の解として与えられる.楕円型方程式の正値解の存在は,定常解の構造を理解するに当たってもっとも基本的な問題である.ここでは臨界べきを持つ非線形楕円型方程式の解の存在と分岐について明らかにした. 4.反応拡散系に見られる複雑な時空間パターンのダイナミクスは,パルス状局在解が弱いあるいは強い相互作用をすることによって生じると解釈できるが,そのダイナミクスを漸近的手法を用いて解析する. 5.生物の形態形成における活性化因子--抑制因子モデル方程式、熱対流におけるSwift-Hohenberg方程式などは勾配・歪勾配系の枠組みでとらえ,縞状のパターンには、Eckhaus不安定性とZigzag不安定性の2種類の不安定性が普遍的に観察されることが示された.
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