研究分担者 |
平野 載倫 横浜国立大学, 環境情報研究院, 教授 (80134815)
高野 清治 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (90018060)
鵜飼 正二 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (30047170)
斉藤 革子 (斎藤 革子) 横浜国立大学, 工学研究院, 助手 (50175353)
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配分額 *注記 |
15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
2003年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2002年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2001年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2000年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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研究概要 |
今まで我々は,確率的な相互作用をする粒子系,具体的には,コンタクト・プロセス,方向性のあるパーコレーション,Domany-Kinzel(DK)モデルに対して,その相転移現象を解析するために,様々な相関不等式,或いは相関等式に関する研究を行ってきた.特に最近Harris-FKG不等式より得られる相関不等式を更に精密化した新しいタイプの相関不等式(BFKL不等式)を得ることが出来た.このことにより従来の様々な手法で得られていた,上記プロセスの生存確率やそれに対する臨界値が,系統的に且つある場合には容易に得られることが可能となった.上記の研究対象であった,コンタクト・プロセスや方向性のあるパーコレーションは,吸収的という性質を満たしている.一般に,吸収的なモデルに対する相関不等式は幾つか知られているが,そうではない非吸収的なモデルに対する相関不等式を発見することが,本研究の課題の一つであった.実際に非吸収的なDKモデルに関して,モンテカルロ・シミュレーションを行った結果,成立することが示唆された.さらに,特別な場合には証明することに成功した.一方,BFKL不等式の成立に関してはシミュレーションの結果は微妙で,現段階では判断できない.離散時間の2状態2近傍無限粒子系(DKモデル)に関して,一昨年度は双対性と特に非吸収的な場合の極限定理について,興味深い結果を得ることが出来た.それに対し,昨年度は特に双対性に関して,一般のM状態N近傍系に対する必要十分条件を得ることが出来た.さらに,それらとヤン・バクスター関係式や可解性との関係も明らかにしつつある.また,離散時間と連続時間のモデルに対する双対性の関係の糸口も見つかった.昨年度は量子ランダムウォークの極限定理と吸収確率に関して興味深い結果を得ることが出来た.今年度はさらにスケールフリーネットワーク上のランダムウォークや,スモールワールド上の伝染病モデルに関する種々の結果を得ることが可能となった.
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