研究課題/領域番号 |
12440025
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 京都大学 (2001-2002) 大阪大学 (2000) |
研究代表者 |
中村 佳正 京都大学, 情報学研究科, 教授 (50172458)
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研究分担者 |
江口 真透 文部科学省, 統計数理研究所, 教授 (10168776)
辻本 諭 京都大学, 情報学研究科, 講師 (60287977)
小原 敦美 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (90221168)
太田 泰広 広島大学, 工学研究科, 助手 (10213745)
広田 良吾 早稲田大学, 理工学部, 教授 (00066599)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2000年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | 離散時間可積分系 / 数値計算アルゴリズム / 並列計算 / 情報幾何 / 算術調和アルゴリズム / 並立計算 / 可積分系 / 差分スキーム / 離散ケプラー運動 / 情報幾何構造 / 算術調和平均のアルゴリズム / アルゴリズム / ソリトン / カオス系 |
研究概要 |
中村は正定値行列の空間上の算術平均演算と調和平均演算の繰り返しによって,与えられた正定値行列の平方根行列に2次収束する算術調和平均のアルゴリズムを定式化した.このアルゴリズムは情報幾何学的には空間の2点間の互いに双対な測地線上の中点をたどる算法という意味をもつ.小原は算術調和平均のアルゴリズムが定義される正定値行列空間を対称錘の空間上に拡張し,これらの平均演算が測地線の中点を定めるなど対称錘の空間の情報幾何構造を解明した. 正定値が成り立たない場合,算術調和平均のアルゴリズムは一般に収束しない.近藤と中村は,算術調和平均のアルゴリズムの漸化式の一般項が行列式表示されることを発見した.可解なロジスティックマップについても同様な表示が見つかった.さらに,この表本式と系の可解性に基づいて,不変測度と積分計算によらずに,系のLyapunov指数が正となることを示した. さらに,中村と辻本はアルゴリズム機能をもつ離散時間可積分系のプロトタイプである離散時間戸田方程式(qdアルゴリズム)の並列化の研究を開始した.まず,2個のプロセッサーによる分散メモリ型並列計算機システムを構築し,qd表を左右に2分割してそれぞれのプロセッサーで並列に計算させることに成功した.この並列化によって3重対角行列の固有値計算時間が約60%に減少した.さらに,qd表の特性に注目して一部を斜め45度に分割することでさらに並列化効率が改善されることを確認した. 以上の研究は可積分によるアルゴリズム開発の今後の研究において有用になるものと考えられる.
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