研究課題/領域番号 |
12440026
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小川 知之 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (80211811)
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研究分担者 |
桑村 雅隆 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (30270333)
鈴木 宏昌 滋賀大学, 教育学部, 講師 (60280450)
亀高 惟倫 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (00047218)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 周期進行波 / モード相互作用 / 振幅変調波 / エックハウス不安定性 / 勾配・歪勾配系 / 大域分岐図 / 数値検証 / 標準形 |
研究概要 |
本研究分担課題では、周期構造(周期的な進行波解や定常解)の分岐、分岐解の安定性解析、2次分岐とその周りのダイナミクスなどの研究を、ある種の非線形波動方程式に焦点をあてて行った。始めは液膜流などの流体の問題を起源とするKdV方程式(ソリトン系で知られる)の摂動系における周期解の振る舞いを解析することが目標であった。そのために整備した方法論が、非線形非平衡系における周期的なパターン形成の解析に広く適用されることがわかり、熱対流や粉体のパターンダイナミクスの解析も始まった。ある種の状況下では安定な複合モードが得られて、周期パターンにとどまらずより豊富なパターン構造も得られる。最終年度に行った研究集会ではこうした解析が複素ギンツブルグ・ランダウ方程式などの普遍的な方程式に適用可能であり重要であることが再認識された。また粉体のパターンに関連して5次の非線形性を持つスウィフト・ホヘンバーグ方程式の周期解の構造もモード相互作用により調べた。複合モードや単一モードまた定数状態が同時に安定である状況もあり、粉体の実験グループが見つけている孤立波パターンとも関連する。この大域分岐図の解析のために計算機により数値的に得られた分岐図を厳密に検証することを位相的方法を用いて行った。 一方、周期パターンの安定性を「勾配・歪勾配系」の概念からも解析した。その結果、生物の形態形成における活性化因子--抑制因子モデル方程式、熱対流におけるSwift-Hohenberg方程式が、勾配・歪勾配系の性質をみたすことを示すことができた。また、この性質をもつ方程式における縞状のパターンには、Eckhaus不安定性とzigzag不安定性の2種類の不安定性が普遍的に観察されることが示された。さらに、勾配・歪勾配系の概念が、古典力学におけるハミルトン形式に深く関係していることも示された。
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