研究分担者 |
多羅間 茂雄 大阪市立大学, 工学部, 教授 (90115882)
上木 直昌 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (80211069)
高崎 金久 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (40171433)
安藤 広 茨城大学, 理学部, 助手 (60292471)
森岡 達史 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (80239631)
畑 政義 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (40156336)
浅倉 史興 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (20140238)
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配分額 *注記 |
8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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研究概要 |
本研究の目的は、退化する楕円型作用素の超局所的正値性が、偏微分方程式の解の構造へ、どのように反映するかを擬微分作用素論、フーリエ積分作用素論、調和解析、確率解析を用いて研究することであった。代表者は、外国人共同研究者であるXu教授との共同研究により,ある種の無限次で退化する2階楕円型作用素を主要部とする半線型楕円型方程式のDirichlet問題を考察し,解の存在と解の有界性を,更には解の連続性,無限回微分可能性を明らかにした。具体的には,弱い正値性しか持たない無限次退化楕円型作用素に対しては,対数オーダー程度のregularity up評価式しか期待できないが,この仮定のもと,対数型Sobolev不等式を導き,これを用いてDirichlet問題に付随する変分問題を解くことにより解の存在を導いた.また,解の有界性,C^∞性の証明は,楕円型作用素或いは劣楕円型作用素を主要部とする半線型楕円型方程式に対して用いられてきた従来の方法とは全く異なる、線型の無限次退化楕円型作用素の準楕円性を証明する際に使われる方法を駆使,発展させることによりになされた。退化楕円型作用素の正値性に関連して、擬微分作用素の正値性に関するFeffermam-Phongの不等式を論じた,最近のJ.-M.Bony, D.Tataruの論文を検討した。主要型擬微分作用素の局所可解性の研究において初めてWick calculusを導入したN.Lerner教授との共同研究により,Tataruの論文ではFBI変換を用いて示された結果が,擬微分作用素をWick作用素で近似する方法でも導かれることを明らかにした.分担者,安藤とのWick作用素の積公式の研究を発展させ,その剰余項について精密な評価を行うことが証明の際,重要であったが,Fefferman-Phongの不等式を満たす擬微分作用素のシンボルの微分階数の条件を従来より弱めることが可能となった。分担者、上木は、無限次退化の超局所解析に関連したrandom磁場があるSchrodinger作用素のスペクトルを研究し,特に,Pauli Hamiltonianの場合に状態密度関数が従来と著しく違う構造をもつことを見いだし,それらの結果を<∂_b>^^^-Laplacianの準楕円性の研究に適用した。分担者、多羅間は偏微分作用素の超局所解析の見地から2階方程式に対するGoursat問題について考察しエネルギー評価により長谷川の結果を拡張し、また、分担者、高崎は退化方程式の特異解に関連してソリトン方程式の特殊解の代数幾何的構造を研究した。
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