研究分担者 |
山田 陽 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60126331)
加藤 崇雄 山口大学, 理学部, 教授 (10016157)
柴 雅和 広島大学, 工学部, 教授 (70025469)
柳原 宏 山口大学, 工学部, 助教授 (30200538)
鈴木 紀明 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50154563)
瀬川 重男 大同工業大学, 教養部, 教授 (80105634)
河津 清 山口大学, 教育学部, 教授 (70037258)
木内 功 山口大学, 理学部, 助教授 (30271076)
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配分額 *注記 |
6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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研究概要 |
種数gの閉リーマン面の任意のホモロジー基からある一定の方法で決まる極値的長さの間には,種数gのみ依存するある2g次の代数的関係式が成立することを既に示していたが,調和微分の空間に作用する共役作用素に着目することにより,標準ホモロジー基に対しては,より原始的な2次の代数的関係式の成り立つことを見いだした。上述した既存の結果は,この原始的な代数的関係式から見通しよく得られることを示した。さらに,この原始的代数関係式は,これまで知られていなかった,種数2の閉リーマン面が持つある対称性を表していることを,新たに発見した。種数gの開リーマン面に対しては,上述の2g次代数的関係式は,不等式に置き換わるが,この不等式も同様の方法で,見通しよく証明される。そして,ディリクレ積分有限な解析関数が定数関数に限るための必要十分条件を,調和微分の空間に作用する共役作用素を用いて与えた。 次に,自己等角写像からなる真性不連続群が作用するリーマン面において,ある条件を満たす単連結部分領域の族に擬順序を導入し,この擬順序集合は必ず唯一の最大元を持つことを証明した。証明では,シュトレーベルによる,二重連結領域に関するある極値問題の解が利用される。この擬順序はポアンカレ計量を用いて定義されるものであり,最大元を求める極値問題は,思想的に,リーマンの写像定理と通ずるものを有する。こうして得られた最大元は,その不連続群の局所有限な基本領域をなす。リーマン面が単連結ならば,この基本領域の境界は区分的に解析的な単純曲線からなる。さらに,こうして得られる基本領域は,ディリクレ領域やフォード領域といった既存の基本領域とは異なるものであることを示した。すなわち,基本領域の新たな構成法を得たのである。
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