研究課題/領域番号 |
12440076
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 特殊法人理化学研究所 |
研究代表者 |
和田 道治 理化学研究所, 原子物理研究室, 先任研究員 (50240560)
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研究分担者 |
中井 陽一 理化学研究所, 原子物理研究室, 先任研究員 (30260194)
小島 隆夫 理化学研究所, 原子物理研究室, 先任研究員 (90211896)
山崎 泰規 東京大学, 総合文化, 教授 (30114903)
片山 一郎 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (30028237)
岡田 邦宏 上智大学, 理工学部, 助手 (90311993)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,100千円 (直接経費: 13,100千円)
2001年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2000年度: 10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
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キーワード | 高周波イオンガイド / イオントラップ / 不安定核ビーム / ガスセル / イオンガイド / フラグメントセパレータ |
研究概要 |
高エネルギー重イオンビームのビーム破砕核反応によって生成された高速不安定核イオンを、高効率で減速・冷却し、イオントラップに捕集するあたらしい機構(高周波イオンガイド法)の開発研究を行っている。 高周波イオンガイド法は、ヘリウムガス中で熱化したイオンを高周波電場と直流電場によって高速にガスセル出口ノズルまで、壁に衝突して失われることなく輸送する方法である。 本年度の成果は、実用試験機をオンライン試験し、Li-8イオンの捕効率の大幅な改善に成功したことである。理化学研究所の加速器施設のビーム破砕核分離器(RIPS>から得られた核子当り70MeVの高速Li-8イオンは、エネルギー分散を持つ焦点面に置かれた楔型の減速板によって減速され、その一部は、100TorrのHeで充填された40cmφ×2mのガスセル内で停止し、1価のイオン状態で熱化する。セルのビームに対して直交する位置には引き出し用の平面型の高周波電極(RFカーペット)が設置され、そこには0.3mm間隔で並んだリング電極が配置されている。その電極に交互に異なる位相を持つ高周波電位と中心のノズル(0.8mmφ)へ向かう直流電位勾配がかけられている。セル内全域の熱化イオンは電極部からの直流電場のしみ出しによって電極板まで輸送され、そこには高周波電場によるバリアが形成されているため、電極に到達することなく表面を滑って出口ノズルまで導かれる。ノズルから外に導かれたLi-8イオンは、Si検出器表面で受けられ、そのベータ崩壊に伴う遅発アルファ粒子によって高い信頼度で計数される。 RIPSから得られる全Li-8に対して1%の高効率で低速Li-8を得ることに成功した。この効率はガスセル全域の停止効率6.4%(他はデグレーダ等で損失)と、輸送効率15%に分離される。実際は静電場のしみ出しが弱いためセル中心部しか有効でないとすると厚さ30cm部分に停止した全てのLiイオンが輸送されたことに相当する。問題点としてビーム強度が上がると効率が落ちることである。この効果はガスを液体窒素温度で冷やすことでかなり改善しつつある。
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