研究課題/領域番号 |
12440087
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷村 克己 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00135328)
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研究分担者 |
石川 憲一 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (90288556)
宗像 利明 理化学研究所, ダイナミクスユニット, 先任研究員 (20150873)
田中 慎一郎 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (00227141)
西嶋 茂宏 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (00156069)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
15,900千円 (直接経費: 15,900千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2000年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
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キーワード | フェムト秒2光子光電子分光 / 半導体表面 / 光誘起構造変化 / 原子放出 / 半導体再構成表面 / 2光子光電子分光 / STM / フェムト秒レーザー |
研究概要 |
本研究は、フェムト秒光電子分光法を用いて、共有性半導体表面に固有な擬2次元表面電子励起状態の動力学的に明らかにし、表面で発生する光誘起原子過程の原子レベルの知見との比較を通じて、半導体表面の励起物性を微視的観点から解明する事を目的とした。以下に、得られた成果の概要を記す。 1)フェムト秒2光子光電子分光によるSi再構成表面の表面電子構造とキャリヤー動力学 フェムト秒2光子光電子分光の手法における、高エネルギー分解能と波長可変性の特徴を駆使し、Si(001)-(2x1)、Si(111)-(7x7)表面電子構造の特徴を明らかにした。特に、Si(111)-(7x7)表面における表面状態間遷移の直接検出に成功した。更に、時間分解フェムト秒2光子光電子分光によって、Si(001)-(2x1)表面におけるSiダイマーのダングリングボンドに起因する表面非占有状態の電子動力学を、10^<-13>秒から10^<-9>秒の領域で研究した。その結果、結晶励起電子から表面状態への遷移過程を実時間軸上で初めて解明する事に成功し、遷移確率が励起密度に強く依存し、電子-電子散乱の寄与が極めて大きい事を明らかにした。 2)半導体再構成表面における表面励起状態の緩和と表面構造変化 走査型トンネル顕微鏡と超高感度中性粒子検出法を併用しSi(111)-(7x7)、Si(001)-(2xl)、Si(111)-(2x1)、およびInP(110)-(1x1)表面上における光誘起のボンド切断・原子放出機構を詳細に研究した。その結果、いずれの表面においても、光励起によって発生した価電子帯中の表面原子サイトへの2正孔局在によって、完全表面サイトでのボンド切断が発生する事を明らかにした。特にSi(001)-(2x1)では、このボンド切断によって表面ダイマー層が選択的に除去され、通常の熱的処理では発生させえない新規構造層がほぼ完全な構造で出現する事を明らかにした。
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