研究課題/領域番号 |
12440096
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
橋本 和仁 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00172859)
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研究分担者 |
大越 慎一 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (10280801)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2000年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
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キーワード | 光磁性 / 光磁極反転 / 強磁性 / 分子磁性 / シアノ架橋型金属錯体 / 時間発展型相転移 / 非平衡現象 / 光誘導起構造相転移 / スピン転移 / シアノ金属錯体 / パルスレーザー光 / 光誘起磁極反転 / プルシアンブルー類似体 |
研究概要 |
光磁極反転材料創製のため新規な光磁性材料の探索を行った。特に、オクタシアノ錯体を用いた混合原子価錯体Cu^<II>_2[Mo^<IV>(CN)_8]・7.6H_2O(錯体1)、有機配位子を含んだCs^I[{Co^<II>(3-シアノピリジン)_2}{W^V(CN)_8}]・2H_2O(錯体2)、ヘキサシアノ錯体を用いたRb^IMn^<II>[Fe^<III>(CN)_6](錯体3)の3種類の錯体において新規な光磁性現象を見い出すことができた。 錯体1は照射前の状態では常磁性を示すが、温度5K、外部磁場10Gで480nmのレーザー光を照射したところ磁化が増大し、磁気相転移温度(T_C)が28Kの強磁性を示すようになった。Cu^<II>/[Mo^<IV>(CN)_8]水溶液の場合、光照射によりCu^<II>(S=1/2)←Mo^<IV>(S=0)の電子移動が起こり、Cu^I/[Mo^V(CN)_8]となることが知られている。従って、同様な光反応が固体状態の錯体1でも生じ、Cu^ICu^<II>[Mo^V(CN)_8]が生成することで、Cu^<II>(S=1/2)とMo^V(S=1/2)の間で超交換相互作用が働き強磁性を発していると考えられる。また、強磁性状態のサンプルに600nmのレーザー光を照射したところ、磁化の減少が観測された。このような照射光の波長変化による磁化の増減は、繰り返し行っても再現された。 錯体2は5KではCo^<III>(LS, S=0)-W^<IV>(S=0)であり、このときの磁化の値は非常に小さいが、600-800nmの光を照射することにより磁化が増大し、磁気相転移温度(T_C)が30Kの強磁性を示した。これは、光照射によりCo^<III>(LS, S=0)-W^<IV>(S=0)からCo^<II>(HS, S=3/2)-W^V(S=1/2)へと変化し、隣り合うCo^<II>とW^Vのスピン間に超交換相互作用が働くことによってスピンが整列したためと考えられる。 錯体3に低温(3K)でパルスレーザー光(λ=532nm, P=130mJ pulse^<-1> cm^<-2>)を照射したところ、1ショットで磁化がほぼ消滅した。
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