配分額 *注記 |
11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
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研究概要 |
本研究の主要な成果として,(1)比較的融点の低い単体元素の液体に対して20万気圧領域までのX線回折測定を行い,液体テルル,液体シリコン,液体ゲルマニウムなどの構造の圧力変化の詳細を明らかにし,また,(2)ケイ酸塩メルトに対して6万気圧までのX線回折測定を行い,MgSiO_3およびCaSiO_3組成のメルトの構造の圧力変化を議論した.本研究の主目的であるケイ酸塩メルトの高温高圧下その場X線構造解析に関する(2)の研究成果をまとめた論文は,当該分野の初めての報告として国際学術誌に掲載された.論文の要旨は,「ケイ酸塩メルトの構造を研究するために放射光X線回折技術の開発を行い,MgSiO_3およびCaSiO_3組成のメルトに対して6万気圧までの測定を行った.両組成とも,少なくとも6万気圧までは,2価イオン近傍の局所構造の変化とSiO_4四面体のネットワーク構造の変化が主な圧縮メカニズムであり,シリコンイオン近傍の局所構造の変化は小さい.また,構造の変化はCaSiO_3メルトで大きくMgSiO_3メルトで小さい.この傾向は常圧付近で顕著である.これらの測定結果は,実験や理論計算からの推定と調和的であり,過去の研究における幾つかの矛盾に対して説明を与える」である.以上のように,本研究は一定の成果を収めることができた.しかし,論文のタイトルにあるように,未だ「先駆的研究」の段階であり,今後,圧力領域の拡大などに取り組む必要がある.
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