研究分担者 |
石岡 圭一 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (90292804)
石渡 正樹 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (90271692)
谷本 陽一 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (00291568)
小高 正嗣 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60344462)
中島 健介 九州大学, 理学部, 助手 (10192668)
沼口 敦 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (30237797)
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配分額 *注記 |
7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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研究概要 |
海面水温(SST)の非一様性に起因する熱帯域での積雲対流活動分布ならびに大気循環の多様性に力学的構造を探るべく,全球が海洋で覆われた水惑星条件のもとで大気大循環モデルを用いた計算を実行し,また,そのために必要なソフトウェア開発を行った.主な研究成果は次の三点にまとめられる. 第一に,単一のSST異常に対する大気の応答の因果律を調べるために,アンサンブル初期値時間発展実験により個々の積雲対流と季節内変動によって生じるノイズの除去を行い,水蒸気収支に関する検討を行った.東側では赤道ケルビン波的な構造の東進とともに赤道への水蒸気収束が生じ降水増大域が形成されること,西側では赤道ロスビー波的な構造の西進とともに赤道から離れる方向への下層の発散が生じ赤道上で降水減少域が形成されることが示された. 第二に,水惑星実験で出力される大量データの解析処理を効率良く行うために,大規模多次元データの構造の設計とそれを扱うソフトウェア資源であるgtool4 Fortran90ライブラリの開発をおこなった.数値計算データはプラットフォームに依存しないnetCDF形式のファイルに格納し,インターネット透過性を確保した.データ構造に関しては,描画情報を含むメタデータの整理を行い,gtool4 netCDF規約の作成を行った. 第三に,SST分布の多様性に対する降水分布応答の考察をすすめるための予備的水惑星実験を実行した.赤道上に2つのSST異常が存在する場合には,赤道波動力学による応答解釈が可能であること,赤道上に波型のSST異常を置いた場合では,東進する降水構造と西進する降水構造の存在に地域性が発生すること,1つのSST異常域を赤道から高緯度にずらした場合には亜熱帯収束帯に対応する降水帯が得られることが示された.
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