配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
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研究概要 |
(1)コンドライト隕石のコンドリュールを囲むリムから様々な水質変成の証拠を発見した。水質変成の証拠は従来の星雲モデルでは説明できず,リムが母天体表層でできたことを物語っている。我々は学界で初めて「コンドリュール・リムの母天体形成モデル」を堤出した。 (2)暗色包有物(Dark inclusion)の中から「水質変成およびそれに続く熱による脱水変成」の鉱物学的証拠を発見した。我々は10年ほど前に「DIは隕石母天体において水質変成を受け,その後,熱による脱水を受けてできた物質である」という新たなモデルを提出したが,今回の研究によってこのモデルが実証されたと言える。 (3)CO3隕石から,初めて多数の暗色包有物を発見し,それらがCV3隕石のDIと同じように,CO母天体上で水質変成を受け,さらに熱による脱水を受けてできたことを見出した。この研究によって,CO母天体は水を含んでおり,熱・衝撃による物理的・化学的変化を大規模に起こした天体であった可能性が高いことが初めて示された。 (4)衝撃実験の結果,含水隕石は,無水隕石よりもはるかに広い圧力範囲で,衝撃を受けた部分が微粒子に粉砕され,さらに圧力の解放時に爆発的な膨張を起すことがわかった。この結果は,含水小惑星が無水小惑星よりも,衝突によって塵を形成する割合がはるかに高いことを示しており,これまで謎であった塵と隕石における含水物質の存在度の大きな違いをうまく説明する。 (5)神戸隕石のケイ酸塩暗色化が,無数の微小な気泡や鉄硫化物・磁鉄鉱の包有物を含む特異なカンラン石(vesicular olivine)に起因することをつきとめた。神戸隕石のケイ酸塩暗色化は,高温(>600℃)に熱せられた天体が比較的低い衝撃圧力(<20 GPa)を受けてできたという新しいモデルを提出した。
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