配分額 *注記 |
9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2001年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2000年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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研究概要 |
超臨界二酸化炭素中の余剰電子の周囲に形成される局所的なクラスター構造{(CO_2)_n^-}_<scf>を移動度測定・分光測定によって検出し,{(CO_2)_n^-}_<scf>を用いた負イオン化学を開拓することを目的として以下の研究を行った. 1.移動度測定法による{(CO_2)_n^-}_<scf>の検出とサイズ推定:従来比200倍の高純度二酸化炭素試料を調整し,気体,超臨界流体・液体中の負電荷担体の移動度を測定して,電子捕捉に関与する{(CO_2)_n^-}_<scf>のサイズ,電子伝導のメカニズムを明らかにした. 2.高精度ab initio計算による(CO_2)_n^-の構造推定:(CO_2)_n^-の電子・幾何構造をab initio計算によって評価し,{(CO_2)_n^-}_<scf>の構造と安定性に関する情報を得た.エントレーナ効果に関連して,[(CO_2)_n^-(H_2O)_m]の構造と安定性MP2/6-311++G(d,P)レベルの計算によって評価した. 3.ナノ秒過渡吸収法による{(CO_2)_n^-}_<scf>の検出と分光:超臨界吸収セルを装備したナノ秒過渡吸収分光装置を作成し{(CO_2)_n^-}_<scf>の分光検出を試みたが,有意な検出には至らなかった. 4.フォトディストラクション法による気相(CO_2)_n^-の電子分光:紫外〜可視領域で気相(CO_2)_n^-の光分解スペクトル(光脱離・光解離の全励起関数)を測定し,{(CO_2)_n^-}_<scf>の分光学的な検出・同定にとって必須となる電子構造に関する情報を得た. 5.ビーム衝突法を用いた気相(CO_2)_n^-の反応性の研究:気相(CO_2)_n^-がCO_2^<・->の合成等価体としてラジカル反応性を示すこと,[CO_2^<・->(H_2O)_m]系では,CO_2^<・->の安定化のみならず,反応性が保持されることを明らかにし,超臨界流体中の{(CO_2)_n^-}_<scf>を利用した負イオン化学の可能性を示した.
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