研究課題/領域番号 |
12440161
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
齋藤 修二 福井大学, 遠赤外領域開発研究センター, 教授 (30106158)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
16,200千円 (直接経費: 16,200千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2000年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | サブミリ波分光システム / 高感度分光 / 星間化学 / 星間分子 / 星間フリーラジカル / 星間重水素化合物 / 暗黒星雲コア / コア進化年齢 / 分光器高感度化 / コアの進化年齢 / サブミリ波分光高感度化 / 星間分子イオン |
研究概要 |
本研究の目的は、星間空間における重水素化学濃縮を利用して分子雲コアの進化年齢を決定する方法の開拓およびこれに資するための星間重水素化分子の実験室高感度サブミリ波分光である。この目的にたいして3年間に以下の成果を上げた。 1.既存の600GHzまで測定可能な高感度サブミリ波分光システムを、当研究費および別途予算を併用し、500-830GHzのサブミリ波帯での高感度分光を可能にした。以下に報告する星間重水素化分子の実験室分光に用いた。 2.暗黒星雲コアの進化年齢を星間重水素濃縮度から見積ることができることを検証した。牡牛座の代表的な暗黒星雲TMC-1の2つのコア、シアノポリインピークとアンモニアピークについて[DCO^+]/[HCO^+]の変化を化学モデルを用いて経時的に解析すると、その年齢差が10^5年以上となり、アンモニアピークの進化が進んでいるとの結論を得た。この結果は重水素濃縮度からコアの進化年齢差を見積ったはじめての例である。 3.熱源をもたない暗黒星雲として代表的なL134Nの南北2つのNH_3コアについて、同様に重水素の化学濃縮度を用いれば、南のコアが北のよりもはるかに進化が進んでいること、特にコアの進化に伴う収縮の現われとしての、C/Oの気相から固相へのDepletionを考えると、南のコアで検出された高濃度のNH_2D、NHD_2の存在を容易に説明できることを初めて明らかにした。 4.星間重水素化分子の分光として、分子イオンH_2Cl^+の重水素化物HDCl^+のおよびPH_2フリーラジカルの重水素化物PHDのサブミリ波分光をおこなった。後者のスペクトルはりん、水素、重水素の核スピンの微細、超微細構造相互作用によって非常に複雑なスペクトルを示す。解析の結果、水素核の磁気双極子相互作用テンソルの対角項と、既に知られているPH_2の水素の対角項を組み合わせ、PH_2のテンソルの非対角項を導けることを見出した。この結果、PH_2の磁気双極子相互作用テンソルの主軸と主値を求めることが可能になり、得られた主軸は、PH結合の方向と2.3^0で一致することをはじめて明らかにした。
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