研究課題/領域番号 |
12440172
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
|
研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
林 久治 理化学研究所, 分子光化学研究室, 主任研究員 (50087508)
|
研究分担者 |
池田 滋 理化学研究所, 分子光化学研究室, 研究員 (90270595)
森 幸恵 理化学研究所, 分子光化学研究室, 先任研究員 (90239624)
若狭 雅信 理化学研究所, 分子光化学研究室, 先任研究員 (40202410)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
2001年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2000年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
|
キーワード | 磁場効果 / パルス磁石 / ラジカル対寿命 / 散逸ラジカル収量 / 超強磁場効果 / ピコ秒領域磁場効果測定装置 / 6重項-4重項変換 / 緩和機構 / ピコ秒レーザーホトリシス / ラジカル対 / トリラジカル / 光還元反応 |
研究概要 |
本研究では、化学反応に対する磁場効果研究の未踏領域において新展開を図ることを目的として、多くの新規磁場効果を発見し、それらの理諭的解析を行った。 1.超強磁場領域:パルス磁石とナノ秒レーザーホトリシス装置を用いて、ミセル溶液中のカルボニル化合物の光還元反応におけるラジカル対寿命と散逸ラジカル収量、および本反応の均一有機溶媒中の散逸ラジカル収量に対する磁場強度依存性を超強磁場領域(0-30T)で高精度に測定した。前者の系では我々が以前提唱した緩和機構を用い、後者の系では本研究で開発した理論((4)を参照)を用いて、これらの超強磁場効果を定量的に説明することに成功した。 2.ピコ秒領域:本研究でピコ秒領域磁場効果測定装置(時間分解能:100ps)を開発し、均一有機溶媒中のカルボニル化合物の光還元反応におけるラジカル対寿命と散逸ラジカル収量に対する磁場強度依存性を0-1.7Tの磁場領域で測定した。これらの磁場効果をSimple Kinetic Modelで解析し、有機ラジカル対のスピン変換速度をピコ秒領域で初めて研究した。 3.高スピン化学種:均一有機溶媒中の基底4重項状態のクロム錯体を光励起して、励起6重項状態を経由してビオローゲン類に電子移動することにより6重項イオン対を生成する反応において、ナノ秒ナノ秒レーザーホトリシス装置を用いて、散逸ラジカルの収量に対する顕著な磁場効果を0-10Tの磁場領域で発見した。我々はこれらの新規磁場効果を6重項-4重項変換で説明したが、本研究により世界最高の高スピン化学種(S=5/2)の反応に対する磁場効果を発見することができた。 4.理論:本研究で検出した((1)の後者の系)散逸ラジカル収量に対する超教授場効果では、磁場変化は4T以下では磁場強度の1/2乗に比例するが、4T以上では比例せず30Tでは殆ど飽和するという新規磁場効果を初めて観測した。本磁場効果は従来のΔg機構のみでは説明できないので、Pedersen教授(海外共同研究員:オーデンセ大)と相互訪問による共同研究を行い、Δg機構と緩和機構を組合せた新規理論を開発し、本超強磁場効果を定量的に説明することに成功した。
|