配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2001年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
2000年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
|
研究概要 |
1.ワイヤ型オリゴチオフェンとして,3,4-trimethylenethiopheneを基本分子骨格とするモノマーユニットを用い,6量体をビルディングブッロクとして過塩素酸第二鉄を用いる逐次酸化2量化という極めて簡便な方法によって96量体までの一連のオリゴチオフェンの合成に成功した。これらは完全に単分散性の単一成分共役オリゴマーであり,96量体は単一成分共役オリゴマーとしては世界最長の37.2nmの分子長を有する。これら一連の長鎖オリゴチオフェンの電子吸収・発光スペクトル,サイクリックボルタンメトリー測定により,有効な共役は96量体でもまだ伸長し続けていることが分かり,分子ワイヤーとして極めて有望な性質を有していることを明らかにした。 2.フラーレン連結オリゴチオフェンの対応するジスルフィド化合物および新たに開発した堅固な自立型トリチオールアンカーを有する連結化合物を合成して,それらの金電極上の自己集合単分子膜の作製および光電気化学特性の評価を行った。自立型アンカーの使用はスルフィドアンカーの約100倍の光電流を示し,その高い有用性が明らかとなった。また,オリゴチオフェン鎖長の伸長に伴う効率の向上を観測し,最高35%の光電変換量子収率を達成した。 3.フラーレン連結オリゴチオフェンが高効率の光誘起電子移動を行うことに着目して有機単層型の太陽電池を作成し,光電変換効率を評価したところ,オリゴチオフェン16量体フラーレン連結系で,9.7%と高い光電変換量子収率を得た。 4.ピレン置換オリゴチオフェンにおいて,高い正孔注入および移動性に基づく単層有機電界発光(EL)素子の開発に成功したのに続き,オリゴチオフェンに電子輸送性部位としてテルピリジン骨格を導入してさらに高効率の単層EL発光素子の開発に成功した。
|