研究課題/領域番号 |
12440204
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物質変換
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
後藤 敬 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (70262144)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
2001年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2000年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
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キーワード | 速度論的安定化 / キノイド化合物 / カリックスアレーン / ベンゾキノン / キノンイミン / チオキノン / X線結晶構造解析 / 立体保護 / 電子移動 |
研究概要 |
本研究では、独自に開発した架橋カリックス[6]アレーン骨格の立体保護効果を活用して、高反応性キノイド化合物を安定に合成・単離するとともに、その構造・性質を解明することを目的として検討を行った。まず、カリックスアレーンの空孔内というミクロ環境が、酸化還元活性なユニットに対して及ぼす効果を調べるために、cone配座に固定されたカリックス[6]アレーンをp-ベンゾキノンユニットで架橋した分子を合成した。各種アミン類との反応について検討したところ、キノン部位への電子移動に比べて付加反応が起こりにくくなっていることが示された。次に、高反応性キノイド化合物として、N-無置換キノンイミンの安定化について検討した。前駆体としてp-アジドフェノールユニット架橋体を合成し、塩基存在下で熱分解を行ったところ、対応するキノンイミン架橋体が良好な収率で生成した。このキノンイミンは、空気や水に対して安定な結晶として単離することができた。また、N-無置換キノンイミンとしては初めてX線結晶構造解析を行うことに成功し、イミン部位が架橋カリックス[6]アレーン骨格により効果的に保護されていることを明らかにした。サイクリックボルタンメトリーを測定し、対応するベンゾキノン誘導体が1電子ずつ2段階の還元を受けるのに対して、キノンイミンは1段階で2電子還元を受けることを明らかにした。また、チオキノンの安定化について検討した。前駆体としてp-(メチルチオ)フェノールユニット架橋体を合成し、塩化鉄(III)で酸化したところ、チオキノンは得られなかったが興味深い転位生成物が得られた。
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