研究課題/領域番号 |
12440206
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物質変換
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研究機関 | 九州大学 (2002) 高知大学 (2000-2001) |
研究代表者 |
清岡 俊一 九州大学, 有機化学基礎研究センター, 教授 (00036584)
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研究分担者 |
藤山 亮治 高知大学, 理学部, 助教授 (50145108)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
2002年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2001年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | ボロンカチオン / ボロニウムイオン / ルイス酸性 / 有機触媒 / ^<11>B NMR / ^<11>BNMR |
研究概要 |
キラルオキサザボロリジノン助触媒不斉アルドール反応の溶媒効果の研究、それに続くB-H結合のB-X結合への変換研究をへてボロンカチオン種の存在の推察からこの研究はスタートした。合成化学的にはおもに(R,R)-Stien系B-Br化合物を用いてボロンカチオンの存在とその利用の検討がなされた。 仮想的なキラルボロンカチオンの2つの空軌道を不斉場として制御することは非常に困難であることが判明した。また、完全なボロンカチオンはその強力な電子親和力のため求核試薬の攻撃により容易に中性3価のボロン化合物となり、触媒的にカチオンを再生することがはなはだ困難であることも判った。ボロンカチオンを用いる反応系を協奏的反応に限定する必要がある。 ボロンカチオンについての理解を深めるための物理有機化学的研究には興味ある進展がみられた。従来ボロンカチオンの基準物質とみなされていたジフェニルボロンパークロレートはB-O共有結合をもつ3価のボロン化合物であることが^<11>B-NMRと計算化学による研究から明かとなった。また、溶液中でボロンカチオン種が生じてもそれは2価状態ではなく溶媒和された4価の状態であることも判った。ボロンカチオン種の真のカチオン種としての同定がレーザー光分解法による検討から達成された。これは世界ではじめての結果である。今後いっそうさまざまなボロンカチオン種の確認および物性の検討に進展していくと期待される。有機合成化学の観点でも、この化学種の反応性の検討は緒についたばかりで今回の研究を基盤にあらたな展開が期待される。
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