研究課題/領域番号 |
12440219
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
福井 学 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (60305414)
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研究分担者 |
滝井 進 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (60087137)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
2000年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | 16S rRNA / DGGE / 硫黄酸化細菌 / 淡水底泥 / Thioploca / 琵琶湖 / 硫黄循環 / 硫酸還元 / 16Sr RNA / Desulfonema / 16S rDNA / 16SrRNA |
研究概要 |
糸状性硫黄酸化細菌Thioplocaについては主として海産種について研究がなされてきたが、この属の淡水種についての研究例は少なく、その系統や生理学的特性などに関する基礎的な知見もほとんど得られていない。本研究では、琵琶湖(日本)に棲息するThioplocaについて、系統学的、生理学的、および生態学的な側面からの特徴づけおよび生態学的役割の解析を行った。 DGGE法と特異的プライマーを用いたPCR法との併用により、琵琶湖のThioplocaはThioploca ingricaと系統的に近縁であり、海産種とは別のクラスターを形成することが明らかとなった。また、地理的に異なるコンスタンツ湖産と琵琶湖産種は極めて近縁であることも明かとなった。生理的特性を推定するための実験を行った。その結果、硝酸還元と共役した硫黄酸化を行うことが示され、酢酸塩の取り込みが確認された。この時、硝酸は分子状窒素ではなくアンモニアとして対外排出されることが明かとなった。このことは、底泥から湖水への栄養塩の回帰と言う観点から興味深い。また、環境中の硫酸イオンがシースに付着した硫酸還元菌により硫化水素に還元された後、Thioplocaによって酸化され元素状硫黄として取り込まれている可能性が示唆された。これらの硫酸還元に関与するバクテリアを硫酸還元の基幹酵素である亜硫酸還元酵素の遺伝子に注目して解析したところ、多様な硫酸還元菌の存在が示唆された。 以上の知見は、硫酸塩の低い淡水環境での-黄サイクルを解明する上で重要な洞察を与えるものであり、今後の研究が期待される。
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