研究課題/領域番号 |
12440231
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物生理
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
西村 幹夫 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (80093061)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
2001年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
2000年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
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キーワード | マイクロボディ / 膜タンパク質 / ATP / ADPキャリアータンパク質 / シロイヌナズナ / タンパク質輸送 / グリオキシーム / 緑葉ペルオキシソーム / 輸送シグナル / アスコルビン酸ペルオキシダーゼ / 小胞体 / マイクロボディ移行配列 / ペルオキシソーム / グリオキシソーム / 光呼吸 |
研究概要 |
細胞分化に伴うマイクロボディ機能変換の分子機構を明らかにするため、(1)マイクロボディ膜タンパク質の変動及び(2)シロイヌナズナβ-酸化系変異株を解析し、以下の知見を得た。 (1)マイクロボディ機能転換におけるマイクロボディ膜タンパク質の変動を明らかにするため、主要膜タンパク質の1つである、PMP38のcDNAクローニング及びその構造解析、発現調節を解析した。PMP38は331アミノ酸からなるポリペプチドをコードしており、ミトコンドリアのATP/ADPキャリアータンパク質と相同性を示した。PMP38はマイクロボディ膜上に局在しマイクロボディ膜タンパク質移行配列を保持していた。特異抗体を用いたイムノブロット解析から、PMP38はマイクロボディ機能変換時に、その蓄積量を大きく減少することが判明した。この知見は、マクロボディ機能転換に伴って、マトリックタンパク質の入れ替えが生じるばかりでなく、膜タンパク質も大きく変動していることが明らかとなり、マイクロボディ機能転換に膜タンパク質が大きく関与していることが示唆された。 (2)2,4DB耐性シロイヌナズナ変異株ped2を単離し、その原因遺伝子の同定をポジショナルクローニングと相補実験により行った。原因遺伝子の予測されるアミノ酸配列はヒトのPex14と相同性を示した。Pex14はマイクロボディタンパク質輸送装置の鍵成分としてしられている。このことから私達はこのタンパク質をAtPex14pと名付けた。ped2変異株はマイクロボディのタンパク質輸送系に欠損がみられ、その輸送シグナルであるperoxisome targeting signal(PTS)-1及びPTS-2のどちらの輸送系をも阻害した。また、この阻害は、植物マイクロボディとして機能分化しているグリオキシソーム、緑葉ペルオキシソーム、特殊化していないマイクロボディのすべてにおいて観察された。この変異株ではマイクロボディの機能欠損の結果として、脂肪酸分解、光呼吸、マイクロボディ形態の変化が認められた。以上の解析から、AtPex14pは植物にみられるすべてのマイクロボディのタンパク質輸送に関与していることが明らかになった。更にped3変異株は脂肪酸の輸送に関与すると推測されるATP結合カセットトランスポーターを欠損していることが判明した。
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