研究分担者 |
上野山 雄 松下電器産業株式会社, 先端技術研究所, 主担当(研究職)
船戸 充 京都大学, 工学研究科, 講師 (70240827)
藤田 茂夫 京都大学, 工学研究科, 教授 (30026231)
岡本 晃一 京都大学, 工学研究科, 特別研究員
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配分額 *注記 |
13,600千円 (直接経費: 13,600千円)
2002年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2001年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2000年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
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研究概要 |
本研究は,(1)ワイドギャップ半導体において活性層に注入されたキャリア/励起が非輻射再結合中心へ捕獲される様子を定量的かつダイナミックに評価すること,(2)非輻射再結合中心の原子構造を同定しその電子状態を明らかにすること,(3)さらにこれらの情報を結成成長条件にフィードバックさせて原子レベルで制御された結晶成長法を開発することを目的としている。とくに,室温では光励起・電流注入で発生した大部分のキャリアが非輻射再結合により失活するため,その機構を解明し,低減することが発光効率改善につながる。 そこで本研究プロジェクトでは,3次非線形光学効果を利用した過渡グレーティング法を用いることにより,GaN系やZnSe系のエピタキシャル膜や低次元ナノ構造におけるキャリアの拡散や非輻射再結合による発熱・伝導といった重要であるにもかかわらず観測困難だった非発光過程の観測に成功した。 また,過渡レンズ法を光学顕微鏡と組み合わせた顕微過渡レンズ法を開発し,低転位GaNの光熱変換過程の時間-空間分解計測を試みたところ,GaNの非輻射再結合による発熱量,熱伝導が3μmの空間分解において得られた。その結果,貫通転位が励起後形成された励起子の非輻射再結合中心として作用していることがわかった。 さらに,近接場光学顕微鏡システムも構築し,発光過程と非発光過程を相補的に測定する装置も提案し実現した。このことにより,空間分解能はサブミクロンからナノスコピックレベルまで向上するので,今後の展開も大いに期待できる。
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