研究課題/領域番号 |
12450012
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
尾崎 雅則 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50204186)
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研究分担者 |
藤井 彰彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80304020)
吉野 勝美 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70029205)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
2001年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
2000年度: 8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
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キーワード | 強誘電性液晶 / 自己保持膜 / 分極反転 / 自発分極 / 界面分極 / フレクソエレクトリック分極 / 焦電効果 |
研究概要 |
本研究では、液晶における巨視的な分極発現のメカニズムと分子構造、分子配列の対称性との関係を明らかにする事を目的とし、パルスレーザー照射による焦電効果の測定、自己保持薄膜における分極反転電流測定や電気光学応答の測定などを行い、以下の成果を得た。 界面近傍における液晶のオーダーパラメータの空間分布の歪みに起因する巨視的分極である界面分極と、液晶配向場の空間的な歪みに起因するフレクソエレクトリック分極の符号及び絶対値を、短パルスレーザーを光源とした焦電効果の測定から精度良く評価し、四重極子の寄与が重要であることを明らかにした。焦電効果の測定では、分極の絶対値の評価に際して、複屈折の温度依存性を利用した新しい液晶試料内の温度測定技術を提案し、その測定技術を確立した。これにより高精度に界面分極、フレクソエレクトリック分極の絶対値を評価することが可能となった。 代表的なネマチック液晶である5CBの垂直配向界面での分極に関しては、分極がバルクから基板界面を向いており、5CB分子のアルキル基が基板方向を向いていることが明らかとなった。また、このことと界面分極の大きさが、配列した分子の双極子モーメントから期待される値に比べて小さいこととを考慮すると、5CB分子の双極子モーメントは有効に寄与しておらず、四重極子の配向秩序の空間分布による分極が界面分極に寄与している可能性が示唆された。 5CB、80CB、MBBAなどのフレクソエレクトリック分極の絶対値と符号を評価し、5CBのフレクソエレクトリック分極係数の符号が負であり、80CBのそれと符号が逆であることが明らかとなり、その原因が永久双極子モーメントの分子内での向きに関係するものであることを指摘した。さらに、80CBのスメクチックA相におけるフレクソエレクトリック分極の評価も行った。
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