研究課題/領域番号 |
12450019
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
表面界面物性
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩澤 康裕 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40018015)
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研究分担者 |
福井 賢一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (60262143)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2000年度: 11,800千円 (直接経費: 11,800千円)
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キーワード | 遷移金属炭化物 / モリブデン炭化物 / 表面炭素組織構造 / 走査トンネル顕微鏡 / 非接触原子間力顕微鏡 / 走査トンネル分光 / 電子状態制御 / 表面反応サイト |
研究概要 |
本研究の目的は、セラミックス的な性質と金属的な性質を併せ持つ物性的に興味ある物質系である遷移金属炭化物のうち、白金系貴金属に匹敵するような優秀な触媒活性・選択性を示すモリブデン炭化物(Mo_2C)の単結晶(0001)表面の原子配列及び電子状態を精密にコントロールすることにより高機能表面を創出することである。主に走査トンネル顕微鏡(STM)を用いて研究を展開し、さらに精密な表面電子状態測定のための走査トンネル分光(STS)を整備した。 1.構造選択的新規エッチング反応の発見 (√<3x>√<3>)R30°-honeycomb構造、c(2x4)-ジグザク列構造、炭素クラスター構造など複数種の表面炭素組織構造で覆われたMo_2C(0001)表面を酸素ガスに露出すると、表面に強く結合しているはずの表面炭素原子が室温という低い温度でもエッチングを受けること、そのエッチングのされ方に構造選択性があることをSTM観察により見いだした。ジグザグ列をなしている表面炭素原子が選択的に酸素と反応して一酸化炭素として離脱し、下地の(1x1)-Mo層の領域が現れてくる様子が高分解能STM観察により明らかになった。モリブデンカーバイド上の炭素組織構造の特異な反応性を反映した結果と考えられる。 2.COプローブ吸着分子の表面ダイナミック挙動の直接観察 COは(ν3xν3)R30°-honeycomb構造やc(2x4)-ジグザク列構造への吸着確立が低く、(1x1)-Mo層が露出した領域に優先的に吸着し、その領域からhoneycomb構造やジグザグ列構造へ吸着COがhoppingして行くというダイナミック挙動を高分解能STM観察により直接画像化することに成功した。
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