研究課題/領域番号 |
12450024
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
表面界面物性
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研究機関 | 豊田工業大学 |
研究代表者 |
吉村 雅満 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40220743)
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研究分担者 |
小嶋 薫 豊田工業大学, 物質材料研究機構・ナノマテリアル研究所, 開放融合研究員 (30312119)
上田 一之 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60029212)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
2001年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2000年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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キーワード | シリコン / 一次元 / ナノ構造 / ストレス / 歪み / 表面ステップ / ペンタゴン / トンネル顕微鏡 / 低次元構造 / スズ / ゲルマニウム / デジタル / ステップ |
研究概要 |
Si(110)を清浄化すると"16x2"と呼ばれる再構成表面が得られる。この表面はSi(111)7x7やSi(100)2x1の再構成表面とは性質が異なり、表面に高密度のステップが一次元的に配列するという特徴をもつ。この表面ではペンタゴンと呼ばれるシリコンの五員環クラスターが基板の対象性を崩すように配列しており、この構造の形成に伴い表面に多大の格子歪をもたらしている。この歪を緩和させるために表面にステップが導入されると考えられる。本一次元構造は次世代電子デバイスのテンプレート基板として、また生体試料などの固定用基板としてきわめて重要である。本研究はこの歪を人工的に制御することによりステップ密度、すなわち1次元テラス巾を変化させようとするものである。手段としては金属元素の微量ドーピング法を用いた。 スズを吸着させたところ、"16x2"構造が"28x2"構造となることをはじめて見出した。トンネル顕微鏡による詳細な原子配列の観察の結果、28x2ではスズが3量体クラスターとしてペンタゴン間に挿入されていることが分かった。これによりペンタゴンによる歪が軽減されステップ密度が減少し、テラス巾が約2.5nmから4nmに増加したと考えられる。このほか、Si(110)の形成過程を調べるため相転移温度近傍での直接観察、ペンタゴンの歪の効果を調べるため原子状水素の反応過程を調べた。特に後者は水素終端という点からも重要な知見となる。予想通り水素原子は歪が最も集中している原子サイトに選択的に吸着した。飽和吸着しても表面の凹凸構造は維持されており大気中での基板の使用も可能であることが判明した。ゲルマニウム表面も同様の再構成を示し現在スズ蒸着実験が進行中である。
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