配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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研究概要 |
本研究では次の目的を掲げた. 1.特発性脊柱側彎症の成因が椎体の成長に伴う座屈現象であるとする仮説をさらに確固たるものにすること 2.座屈説を仮定して,構造最適設計の手法により座屈を抑える最適補強部位を特定すること 3.患者固有の成因を明らかにして,患者固有の最適な治療法を提示できるようにすること 成果は以下のとおりである. 1.報告されている成人男性靭帯付摘出脊柱の曲げ実験の結果に合わせて椎間板及び軟骨,靭帯の弾性係数を同定することによって,68,582要素84,603節点の胸郭付脊柱有限要素モデルを構築した.この胸郭付脊柱有限要素モデルを用いて,成長部位を変化させた49ケースについて1次から7次あるいは8次までの座屈解析を行い,特発性側彎症として観測されているシングルカーブおよびダブルカーブの成因はそれぞれ4次モードおよび6次モードである可能性を示した.一方,座屈現象を実験的に検証するために,有限要素モデルのデータから脊椎力学模型を製作し,椎体の成長に伴う2次の曲げ固有振動モードに対する振幅および固有振動数の変化から,座屈現象の検証を行った. 2.4次および6次の座屈モードが発生するまでの椎体の成長量を最大化する形状最適化問題に対する形状勾配密度(感度)を解析し,モードごとの最適な補強部位の特定が行えることを示した. 3.患者の脊柱に関するCT画像あるいはMRI画像から構築された3次元ボクセルデータに基づいて,既存の脊柱有限要素モデルを3次元ボクセルデータに適合するように変形させるモーフィング問題を定式化し,その解法を開発した.CT画像に基づく2次元有限要素モデルの変形,立位X線画像に基づく脊柱有限要素モデル全体の変形が可能であることを実証した.しかしながら,患者の脊柱有限要素モデルを構築して,座屈解析を行うことは今後の課題として残された.
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