| 研究概要 |
本研究では動的破壊について実験、理論、および計算力学的手法を統一的に用いて研究を推進し、動的破壊の応用形数値解析法の確立のための基礎的事項取得と動的分岐破壊のメカニズム解明やシミュレーション手法の開発を行なった。研究成果の主なものを以下に示す。
1.実験的研究:(1)動的分岐破壊支配条件の解明,(2)遷音速界面き裂コースティックス法理論の開発,(3)実験計測誤差を自動的に検出消去する各種のインテリジェントハイブリッド計測法の開発,(4)全視野計測画像相関法における局所最小相関係数探索法の開発,(5)動的エネルギー流入束と動的破壊面粗さの関係,(6)遷音速界面破壊のき裂先端応力特異性オーダーと応力特異場係数の計測
2.理論的研究:(1)界面高速破壊の統一的漸近解の導出 (2)複数分岐き裂先端に対する経路独立動的J積分スイッチング法の開発 (3)圧電材料の動的J積分の導出 (4)圧電材料動的き裂先端場漸近解の導出 (5)圧電材料の電気変位場係数や界面き裂の混合モード応力拡大係数などを高精度に評価する各種の動的J積分成分分離法の開発 (6)き裂進展問題の変分原理の導出
3.計算力学的研究:(1)デローニー自動要素分割に基礎をおく移動有限要素法の開発 (2)動的分岐破壊経路シミュレーションの成功 (3)き裂加速度一定場における動的応用形シミュレーションの成功 (4)三次元動的破壊中のき裂前縁の動的J積分および応力拡大係数の評価 (5)高速非線形破壊シミュレーションの開発 (6)接触を伴う界面遷音速破壊シミュレーション手法の開発 (7)三次元動的破壊き裂前縁形成メカニズムの解明
以上などの本研究の成果には、多くの重要項目が含まれており、本研究が動的破壊力学の進展に大きく貢献すると期待される。なお,本研究などの成果に対して以下の学会賞が授与された.
(1)日本機械学会材料力学部門賞業績賞,(2)日本機械学会賞論文賞,(3)日本機械学会計算力学部門賞業績賞,(4)日本材料学会衝撃部門賞業績賞,(5)米国実験力学会Hetenyi Award
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