配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
2002年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2001年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
2000年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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研究概要 |
シリコン原子10〜30個よりなるクラスター(Si_n)とエチレンや一酸化窒素の化学反応実験をレーザー蒸発・超音速膨張クラスター源付きFT-ICR(フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析装置)によって行った.シリコンクラスターとエチレンとの化学反応については,レーザーアニーリングによる効果などを含めて従来知られている実験範囲を広げた実験データを取得した.また,一酸化炭素との反応によって,Si_n^++NO→Si_<n-1>N^++SiOのシリコン原子の引き抜き反応が一定のシリコンクラスターで選択的に起こること,また,この反応の後に,シリコンクラスターサイズによっては,反応熱によってクラスターの解離が起こることを明らかとした.さらに,シリコンクラスターの反応との比較として,Fe, Co, Niなどの金属クラスターの反応実験を行い,クラスターサイズに依存する水素分子脱離などの現象について検討した. 一方,小さなシリコンクラスターの幾何学構造などを比較的よく表現するTersoffポテンシャルを用いた分子動力学法シミュレーションによって,シリコンの結晶化過程を検討した.アモルファス構造あるいは液体のシリコンクラスター(原子数4000〜8000)の中央部に初期条件としてシード原子結晶を埋め込み,シード原子数や温度を様々に変化させたシミュレーションによって,結晶成長の様子を観察した.これらの結果に基づき,結晶核成長速度や臨界核サイズなどを古典核生成モデルなどと比較した.また,得られた結晶構造は多くの場合,双晶欠陥を有し,これが故に(111)面を形成しながら結晶成長が起こっていることが明らかとなった.また,双晶欠陥の故に,5回対称性をもつ準結晶などの様々な多面体のナノスケール結晶構造を得ることができた.
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