研究課題/領域番号 |
12450083
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
佐藤 勲 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10170721)
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研究分担者 |
斉藤 卓志 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (20302937)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
2002年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2001年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2000年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | プラスチック廃棄物 / 材料選別回収 / 非定常熱伝導 / 融着現象 / 界面温度 / 軟化 / レオロジー物性 / 接触面積 / 接触界面形状 / 汚れ / 塗膜 / 選別能 |
研究概要 |
非定常熱伝導と融着現象を利用して、多くの種類のプラスチック材料が混合したプラスチック廃棄物をそれぞれの材料種ごとに選別回収する方法の基礎学理を得ることを目的に、加熱固体面とプラスチック粒子の接触界面で生じる融着現象を実験的に検討した。得られた知見の主なものは以下の通りである。 (1)加熱固体面温度を順次変えながら複数の同種プラスチック粒子をこれに押しつけたときの融着確率を実験的に計測した。その結果、プラスチック材料の融着確率は加熱面温度がある温度に達すると、5〜10K程度の幅を持って急速に立ち上がること、この融着開始温度は材料のガラス転移点や融点に対応し、プラスチック材料の種類ごとに異なることが確認された。 (2)プラスチック廃棄物に想定される汚れや塗膜の存在が融着現象に与える影響を実験的に検討した。その結果、汚れは融着開始温度をわずかに上昇させるだけであるが、塗膜が付着していると融着開始温度は母材のプラスチック材料と塗料材料の融着開始温度の中間に変化し、両融着開始温度が大きく異なっている場合には選別回収に与える影響が大きいことが明らかになった。 (3)融着現象が生じるときの加熱固体面とプラスチック粒子接触界面温度を実測し、実際に融着が顕著になるときの接触界面温度はそのプラスチック材料のガラス転移点・融点といった柔らかさを支配する温度よりやや高いことを明らかにした。その上で、融着現象の発現には、界面近傍のプラスチック材料の軟化だけでなく、押し付け力による界面の巨視的変形・接触面積の増大が必要であると推察した。 (4)融着現象とプラスチック材料のレオロジー物性との関係を詳細に検討した結果、損失正接が1を越える温度になると融着現象が顕著となること、このときの貯蔵弾性率・損失弾性率の値はプラスチック材料によらずほぼ10^6Paであることを明らかにした。
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