研究課題/領域番号 |
12450090
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
熱工学
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
渡部 康一 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40051487)
|
研究分担者 |
WIDIATMO Januarius V. 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (90306879)
WIDIATMO Januarius V. 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
2001年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2000年度: 11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
|
キーワード | 環境にやさしい冷媒 / 自然冷媒 / 炭化水素 / 代替冷媒 / PVTx性質 / 飽和蒸気圧力 / 熱力学性質 / 状態方程式 |
研究概要 |
次世代混合冷媒となる炭化水素系自然冷媒としてのプロパンの飽和蒸気圧力および気相PVT性質の精密測定を、精密低温恒温槽および低圧用精密圧力計の導入により改良できたバーネット法測定装置を用いて温度300〜380Kにおいて実施し、それぞれ8点および58点の実測値を得た。目標とした300K以下のより低い温度範囲の測定については、恒温槽の伝熱媒体の最終選定などに伴なう測定装置の一層の改良を実施中であるため、来年度においても測定を継続する予定である。同測定装置で、炭化水素系冷媒R-290とHFC系冷媒R-125の2成分系混合冷媒の気相PVT性質の測定も行った。測定は温度300〜380K、圧力4.5MPaまで、R-125の組成0.288、0.50および0.75において実施し、187点のPBTx性質実測値を得た。この混合冷媒のバーネット法測定装置による測定不確かさは温度、圧力、密度に関してそれぞれ±7mK、±0.8kPa、±0.1%、そして組成に関して±O.1mol%と見積もることができ、これまで全く実測値情報の存在しなかったこの混合冷媒の熱力学性質を所期の目標どおり高精度に測定することができた。 さらに、R-125+R-290二成分系混合冷媒に関して、本研究で得られた気相PVTx性質の実測値に基づいて、ビリアル型状態方程式を作成した。作成した状態方程式の第2および第3ビリアル係数ば実測値の存在しない領域でも物理的に妥当な挙動を示し、状態方程式から誘導された定圧・定容比熱および音速などの誘導状態量に関しても、状態方程式の成立有効範囲内において正しく熱力学的一貫性をもつモデルが開発できた。 一方、次世代混合冷媒の成分物質として重要な役割を演じるものと期待されているプロパン(R-290)、イソブタン(R600a)およびn-ブタン(R-600)を対象として、ヘルムホルツ関数型状態方程式の開発に関する一連の解析的研究も実施した。入力データとしては、既往の熱力学性質に関する実測値情報を収集・評価して用いたほか、上述した本研究による実測値群を用いており、既にR-290およびR-600aに関しては当該分野の国際学術誌に投稿・受理されており、R-600についても開発の最終段階にある。なお、開発した状態方程式の健全性・熱力学的一貫性についても十分検討した結果、極めて満足すべき成果を確認することができた。
|