配分額 *注記 |
12,300千円 (直接経費: 12,300千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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研究概要 |
本研究課題において,MR流体を用いたアクチュエータによる知的制振システムの構築に関する研究を行った.MR流体は機能性流体の一つとして知られ,外部から加える磁場の強さによって流体の降伏応力を変化させることができる.MR流体は強磁性体の微粒子を一様な流体中に分散させたもので,外部からの磁場によって分散粒子が鎖状に凝集し,凝集したクラスタがせん断を受けることで崩れる際に降伏応力が発生するものと推定される.MR流体をアクチュエータに適用すると,流体の降伏応力の変化は摩擦力の変化として取り出すことができる. MR流体を利用したアクチュエータを設計する際に最も重要なことは,十分な大きさの磁束密度を有する磁気回路を形成することである.磁気回路の設計にあたっては,回路中の媒体の透磁率が必要であるが,MR流体の等価な透磁率を求めた研究は未だに行われていない.そこで,本研究の第1段階としてMR流体の等価透磁率を推定することを試みた,セルオートマトンと呼ばれる離散的モデル化手法を用いて分散粒子の凝集シミュレーションを行い,その結果を用いて汎用有限要素法プログラムにより等価な透磁率の算定を行った. さらに,その結果を用いてMR流体を適用した可変減衰器を設計試作し,構造模型に設置して制振実験を行った.制御系としてはニューラルネットワークを利用した.本制御系は同定器と制御器を兼ね備えており,最初に制御対象の同定を行った後に制御系の構築を自動的に行う.この制御系は学習機能を有している.これらの実験結果として,MR流体とニューラルネットワーク制御系による知的振動制御システムの構築を行った.
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