配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
2002年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2001年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2000年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
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研究概要 |
本研究は大きく2つのテーマについて研究を行った.一つは,マニピュレーションのための多自由度浮上技術の確立であり,他の一つは,マイクロ浮上のための微小な物体の浮上技術である.それぞれの研究実績の概略は以下の通りである. 数値シミュレーションにより,2自由度浮上機構の可能性について検討した.その結果に基づいて永久磁石駆動機構を2つ用いた2自由度浮上機構の実験装置を設計,製作した.この装置を用いて,浮上実験を行ったが成功しなかった. 浮上実験の失敗の原因が吸引力の推定の誤差にあると考え,実験および有限要素法により,吸引力の測定,解析を行った.その結果,極の配置の違いが吸引力に大きく影響をおよぼすこと,浮上体の位置の少しの変化で吸引力が大きく変動するために安定した復元力が得られないことなどがわかった.その他の検討の結果,永久磁石駆動装置を3つ使い,隣り合う永久磁石の磁極面を異極にすることにより,この問題を解決できることがわかった. 新しい試作装置を用いて非接触マニピュレーションの実験を行い,浮上実験に成功した.応答振幅4mm,応答周波数4Hz程度の浮上が可能であることが確認できた. マイクロ浮上実験では,浮上体がが微小になったときの,制御システムの安定性に対する影響を調べた.この結果,用いるアクチュエータに即応性が求められること,ディジタル制御を用いるときにはフィルターを出力段に挿入すると効果があること,などがわかった.この結果に基づいてアクチュエータとしてピエゾ素子を用いた.浮上対象位置および永久磁石位置をPSDを用いた光学センサーによって検出した.コントローラはデジタル制御を用いて,D/A変換器の出力にフィルタを介してアンプに接続する構成とした.この装置により種々の大きさのボールを浮上させ,最小直径2mmのボールを浮上させることができた.
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