配分額 *注記 |
15,200千円 (直接経費: 15,200千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2000年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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研究概要 |
本研究では,通信時間の送れと変動を伴う環境下での遠隔操作法の確立を目指して,種々の視点からの基礎的な研究を行った.まず器用な作業が可能な多指型マスタ・スレーブハンドの設計・試作を行い,テレオペレーションのベンチマークテストとして玩具ブロックの組立作業を用いることを提案した. さらに動的可操作度を多指ハンド系に適用できるように拡張した動的多指可操作度を提案し,これをもとに多指型のマスタ・スレーブハンドの設計指針を提案した.次に,時間遅れの変動下でも安定なバイラテラル制御法を提案した.実際にインターネットを模した通信環境下での実験を行い,有効性を確認した.続いてETS-VII(技術試験衛星VII型)搭載のロボットアームを用いた遠隔制御実験を行なう機会を得,往復6秒〜7秒といった大きな時間遅れの通信環境下でのバイラテラル制御による種々の作業に成功した.従来6秒といった長い時間遅れでは,直接バイラテラル制御は不可能とされていたが,作業によっては視覚的な情報も一切無しにスレーブ側からのフィードバックのみで実行可能なことが示された. 最後に,3次元空間作業用マスタ・スレーブ遠隔操縦システムを開発し,さらに動作範囲に制限のあるマスタアームによる遠隔操縦法を提案した.試作した3次元空間作業用マスタ・スレーブ遠隔操縦システムを用いて,提案する遠隔操縦法の操作性を実験的に評価した.また既に開発した3次元空間作業用マスタ・スレーブ遠隔操縦システムに付加できるような3次元操作用マスタ・スレーブハンドの設計も行った. 以上のように,本研究では通信時間の遅れと変動を伴う環境下での遠隔操作法の確立のために様々な角度からの研究を行った.これらの成果は,将来実際にインターネット等を介して器用な作業を遂行できる遠隔操作システムを構築する際の重要な基礎となるであろう.
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