研究課題/領域番号 |
12450110
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電力工学・電気機器工学
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
太田 昭男 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (10124728)
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研究分担者 |
福永 哲也 岐阜工業高等専門学校, 電子制御工学科, 助教授 (50249794)
稲田 亮史 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (30345954)
中村 雄一 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (40259940)
中村 雄一 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (20345953)
張 平祥 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (70314086)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2000年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | 超電導ケーブル / テープ素線 / 交流電流 / 交流損失 / バリア入り線材 / 交流通電 / 超伝導ケーブル |
研究概要 |
1.抵抗性バリア導入による銀シースBi2223多芯テープ線材の通電損失低減化 銀シースBi2223超電導多芯テープ線材において、抵抗性材料をテープ面に対して平行にバリア層として導入し、フィラメントを薄いシート状に分割する方法により、通電損失を低減できることを実験的に示した。この成果を念頭において、Bi_2Sr_2CuO_x (Bi2201)およびAg-Cu合金をバリア材とする多芯テープ線材を試作し、特に前者で顕著な損失低減効果を得ることができた。しかしながら、導入したバリア材が熱処理中にBi2223超電導相と反応して、線材の臨界電流密度(J_c)が著しく低下することも判明した。この問題を解決する新しいバリア材の探索に向けて、絶縁性酸化物であるCa_2CuO_3をBi2223に添加した前駆体粉末を用いてテープ線材を作製しJ_cの測定を行った結果、Ca_2CuO_3はJ_cにほとんど影響をおよぼさないことが判明した。この事実を踏まえて、Ca_2CuO_3をバリア材とする多芯テープ線材を試作し通電損失を測定した結果、バリア材導入に伴うJ_cの劣化を起こすことなく、通電損失の低減を実現できることを実験的に明らかにした。 2.フィラメント配置の制御による銀シースBi2223多芯テープ線材の通電損失低減化 2軸圧延と1軸圧延を組み合わせた矩形変形法により、超電導フィラメントが線材断面内において列状にブロック化された構造を有する銀シースBi2223多芯テープ線材を作製し、通電損失特性の測定・評価を行った。商用周波数領域における損失の主要因は、作製方法や線材形状には関係なく、超電導フィラメント内で発生するヒステリシス損失であるにもかかわらず、前述したフィラメント配置の制御を施した多芯テープ線材は、通常の銀シース加工法で作製した多芯テープ線材よりも、約40〜70%程度低い損失値を示すことが明らかになった。この原因を考察するために、実際の線材形状を考慮して、各試料の電流分布および通電損失密度分布の数値計算を行った。その結果、矩形変形法で作製した多芯テープで観測された損失低減は、前述したフィラメント配置の制御により、テープエッジ近傍のフィラメントで発生する損失の抑制(エッジ効果の抑制)に起因することが判明した。 3.複数のテープ線材から構成される集合導体の通電損失特性の評価 断面形状の異なる銀シースBi2223超電導多芯テープ線材を用いて、簡単な集合導体を構成し、通電損失特性の評価を行った。実験結果と数値解析結果との比較から、導体を構成する素線(テープ線材)の形状や配置が集合導体の通電損失特性におよぼす影響を明らかにした。また、多層化・スパイラル配置といった複雑な導体構造を有する円筒状集合導体ケーブルにおける自己磁界分布を計算する数値解析手法を新しく開発し、同一層内の隣接素線間ギャップや層間距離、スパイラルピッチなどの構造パラメータが、導体内の自己磁界分布および通電損失におよぼす影響を明らかにした
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