研究課題/領域番号 |
12450130
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
内藤 裕義 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90172254)
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研究分担者 |
松川 公洋 大阪市立工業研究所, プラスチック課, 研究主任
金光 義彦 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成研究科, 教授 (30185954)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
16,100千円 (直接経費: 16,100千円)
2002年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2001年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
2000年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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キーワード | 有機ポリシラン / 有機-無機ハイブリッド / ゾル-ゲル法 / 光誘起二色性 / 光誘起屈折率変化 / 光誘起グレーティング / 光誘起電荷移動 / 光誘起偏光発光 / ゾルーゲル法 / 有機-無機ハイブリッド薄膜 / 時間分解蛍光 / 励起子移動 / 光デバイス / シリコンナノクリスタル / 光キャリア生成 |
研究概要 |
本研究で得られた成果は以下のとおりである。(1)有機ポリシランブロックコポリマの合成 有機ポリシランとガラスマトリクスを共有結合で結びつけ有機ゲストによる量子構造を構築するためには、有機ポリシランブロックコポリマの合成が不可欠である。このコポリマ組成を最適化し[poly(methylphenylsilane-co-maethacryloxypropyltriethoxysilane),P(MPS-co-MPTES)]、コポリマ合成法を確立した。(2)光劣化を抑制するためのポリシラン最適組成 ポリシラン単体に比べるとポリシラン-SiO_2ハイブリッド薄膜の光劣化を飛躍的に抑制できることを示した。ハイブリッド薄膜中のP(MPS-co-MPTES)最適組成は5から50wt.%であることを見出した。(3)励起エネルギ移動過程 時間分解発光観測により、ハイブリッド薄膜中のポリシラン濃度が低下すると励起子拡散係数が低下することが分かった。これは、ポリシラン濃度が減少するとポリシラン鎖間距離が増大することに起因する。(4)光伝導特性 光触媒活性を示すTiO_2マトリクス中に分散させたポリシランではTiO_2-ポリシラン界面での光誘起電荷分離により高い光伝導性が期待できる。実際、SiO_2に分散させたポリシランハイブリッド薄膜に比べ光伝導度が約1000倍に向上していることを明らかにし、光センサー、太陽電池としての応用を可能にした。(5)光誘起屈折率変化 ハイブリッド薄膜ではポリシランの光劣化を抑制できることを示したが、ポリシランの高い光化学反応性のため、紫外光の高励起下ではやはり光分解は避けられないことを見出した。この特性を利用し、ハイブリッド薄膜中でポリシランを光分解させ、屈折率制御が可能であることを示した。このような変化はポリシラン単体の薄膜では観測できない現象で、これによりパターンナブル光導波路を提案した。(6)光誘起二色性 ポリシラン-SiO_2ハイブリッドでは、励起エネルギ移動を抑制でき、ポリシランを光分解できることに言及したが、この事実は紫外直線偏光光照射により二色性が誘起できることを意味している。実際、蛍光の二色性が誘起できることを明らかにした。二色比はポリシラン鎖間および鎖内のエネルギ移動を抑制することにより制御できることを示した。(7)一次元フォトニック構造の作成 高速光通信のキーデバイスである屈折率グレーティングや多層フィルタを簡便な方法で作成できることを示した。このグレーティングを液晶配向層やDFBレーザへと応用し、デバイス特性を明らかにした。
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