研究分担者 |
北原 道弘 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60135522)
木本 和志 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助手 (30323827)
大即 信明 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40211106)
永田 泰昭 新日本製鐵株式会社, 技術開発本部, 主任研究員
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研究概要 |
本研究は数十kHz〜数百kHzの低周波超音波に注目し,ソフトとハードの両面からのアプローチにより,低周波超音波法の定量化を行うことを目的として,1.低周波超音波法の基本特性の把握,2.低周波超音波の解析手法の開発,3.コンクリート構造物への応用を行ったものである. 1.低周波超音波法の基本特性の把握:まず超音波探触子に関する研究のレビューを行った結果,低周波超音波探触子に関する研究はわずかであり,市販のコンクリート用探触子も波動理論に基づいた最適な設計がなされていないことが明らかとなった.さらに受信センサとしてレーザー振動計のコンクリート材料への適用性を検討した. 2.低周波超音波の解析手法の開発:低周波超音波は大規模なコンクリート構造物の健全度評価に用いられることから,そのシミュレーションは大規模な計算を必要とする.ここでは,計算コストの削減を目的として,構造物の幾何形状を考慮した2.5次元境界要素解析法と大規模な3次元解析を効率よく行うことができる高速多重極境界要素法を開発した. 3.コンクリート構造物への応用:ここでは,低周波超音波法の応用例として材料界面の付着評価とPCグラウト充填評価を取り上げた.界面の付着評価においては,漏洩表面波を用いたL-scanと呼ばれる手法を用いて付着・剥離境界の推定方法を提案し,通常のC-scan法よりも効率よく界面の評価が行えることを示した.PCグラウト充填評価では,インパクトエコー法によって得られた波形にウェーブレット変換を適用して,グラウト充填評価が精度良く行えることを確認し,境界要素法による解析結果との比較を行って実験結果を検証した.
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