配分額 *注記 |
9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2000年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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研究概要 |
本研究は,閉鎖性水域風波場・開水路混成場における空気・水の界面現象とその気体輸送特性を乱流統計理論・組織乱流理論に基づいて,高精度レーザー流速計およびPIVを駆使して実験的に解明したものである.得られた主な結果を列挙すれば,以下のようである. (1)界面近傍の水層乱流構造は,底面シアーが卓越した開水路流においては乱れが減少し,ほぼ"弱い壁"として解釈できる.しかし,風による界面シアーが卓越してくると,乱れ構造は開水路のものと著しく異なり,特に鉛直方向乱れは急増する.瞬間構造は水面形状によって大きく変化し,風波の発生に伴い波による周期的な瞬間構造が現れる.時空間相関構造は閉鎖場と風波・開水路混成場という流れ場の違いによって大きな変化はみられない. (2)風波発生下において自由水面近傍では流速変動の大部分が波に起因する変動によって支配されていて,自由水面近傍で発生する組織構造の解析には乱れの分離が必要である.風波発生下において自由水面近傍で発生する組織構造は,本研究で用いたウェーブレット解析によって分離した低周波変動成分で的確に抽出することができる.また,閉鎖場で発生する組織構造の発生要因は反流や2次流ではないことがわかった.さらに,閉鎖場のみならず風波・開水路混成場においても組織構造の発生が確認された. (3)組織構造の挙動は低周波変動成分によって的確に捉えることができ,自由水面近傍で発生した組織構造は吹送流や平均流によって流下方向に移流しつつ下降することがわかった.また,自由水面近傍では大小の組織構造が発生し,大規模な組織構造は有義波高の約7倍の深度まで達することがわかった.さらに,組織構造は水面変動が小さくなっているときに発生しやすく,風波発生下における自由水面近傍での組織構造の発生は水面変動と関連していると考えられる.
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