研究課題/領域番号 |
12450209
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
土木環境システム
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
太田 幸雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00100058)
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研究分担者 |
山形 定 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80220242)
村尾 直人 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00190869)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
2002年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2001年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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キーワード | 衛星リモートセンシング / 東アジア沿岸域 / 環境汚染 / 散乱係数 / 吸収係数 / 単一散乱アルベド / 硫酸粒子 / 黄砂 / 大気エアロゾルの光学的厚さ / 海面反射率 / 放射輝度 / 大気混濁係数 |
研究概要 |
長崎県五島列島福江島および鹿児島県奄美大島において、平成13年の3〜4月に大気エアロゾルの散乱係数と吸収係数、粒径分布および化学組成(化学成分)の測定をおこなった。その結果、3月下旬の福江島での観測および4月ひと月間の奄美大島での観測においてしばしば非常に高濃度の土壌粒子および大気汚染成分(黒色純炭素、有機物、硫酸イオンや、鉛、亜鉛などの金属粒子成分)を測定した。これらの時期について後退流跡線解析を行った結果、これらの高濃度土壌粒子および大気汚染成分は、中国大陸方面から飛来していることがわかった。すなわち黄砂が大量に飛来する「黄砂現象」時には、また同時に中国大陸方面で排出された硫酸や煤および有害汚染金属粒子なども輸送され、飛来していることが明らかとなった。粒径2μm以下の微小粒子の散乱係数と吸収係数の測定結果より単一散乱アルペドを算定したところ、ほぼ0.75〜0.90程度であり、高濃度時には0.75〜0.85であった。 以上の単一散乱アルベド値を参考として、人工衛星Terraに搭載されているMODISセンサーの輝度データを用い、中国の四川省、湖南省および雲南省地域、朝鮮半島域および東シベリア地域の大気環境汚染状況(大気エアロゾルの光学的厚さの分布)について解析を行った。その結果、2001年3月の中国四川省地域において光学的厚さが2.0以上の高濃度地域が算出された。この地域は成都市を含んでいることから、成都市において排出された高濃度汚染物質が四川盆地内に高濃度に滞留していることを示している。また、2000年4月の朝鮮半島域において、韓国中部の日本海側の春陽付近から日本海に向かって光学的厚さが1〜2の領域が扇状に広がっており、森林火災による煙流を捕らえたものと思われる。 以上のように、本研究の結果、人工衛星の輝度データから、大気汚染物質の広域分布を定量的に推定することが可能となった。
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