配分額 *注記 |
11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
2002年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2001年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2000年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
|
研究概要 |
霞ケ浦湖水,流入河川水、流域の溶存有機物(DOM)発生源水(森林渓流水、畑地浸透水、田面流出水、下水処理水,生活雑排水,し尿処理水等をDOM分画手法(生分解試験+フミン物質の分離に基づく樹脂分画)に供し,サンプルDOMおよび難分解性DOMをフミン物質,疎水性中性物質,親水性酸,塩基物質,親水性中性物質の5つに分画した。引き続いて,ろ過サンプル,フミン物質,親水性画分(HlF:親水性酸+塩基+親水性中性物質)のトリハロメタン生成能(THMFP)をヘッドスペースGC/MSで測定した。 霞ヶ浦湖水、河川水および流域水サンプルでは、有機酸画分(フミン物質と親水性酸)が優占していた。湖水では親水性酸が特に優占し、河川水ではフミン物質と親水性酸が同程度存在した。DOM濃度の低い森林渓流水や畑地浸透水ではフミン物質が圧倒的に優占していた。下水処理水、生活雑排水、藻類培養後培地、田面流出水では親水性酸の存在比がフミン物質よりも大きかった。難分解性DOMとしては、湖水では親水性酸、河川水ではフミン物質が代表的であることが明らかとなった。藍藻類由来の難分解性DOMとしてフミン物質の存在は無視できると示唆された。 湖水においてはフミン物質とHiFのTHMFPに有意な差はなかった。湖水中の存在濃度を考慮すると、湖水ではフミン物質ではなくHiFのほうが主要なトリハロメタン前駆物質であることが明らかとなった。生分解プロセスのTHMFP(μmol THM mgC^<-1>)に及ぼす影響を評価したところ、湖水DOMやフミン物質のTHMFPは生分解により少し上昇したが、HiFのTHMFPは生分解によりかなり増大した。流入河川水および様々な流域水サンプルにおいて、し尿処理水を例外として、生分解プロセスにより、フミン物質のTHMFPはあまり変化しないが、DOMおよびHiFのTHMFPが顕著に増大した。したがって、河川水や流域水サンプルにおいて、DOMのTHMFPは、生分解によって、THMFPの高い難分解性HiFが生成あるいは残ぞする事により著しく増大すると示唆された。
|