研究概要 |
本研究において,性能規定型の設計手法を体系化し,最適な材料選定のための設計支援システム構築と,そのための材料物性値のデータベース構築を目的とした一連の研究を行った.本年度の研究成果は以下のとおりである. 1.住宅の外壁を対象とした住宅メーカーへのヒアリングを行い,工業化住宅生産の現場における設計段階での材料選定に関わる性能への対応,品質の管理法などの調査,材料選定の現状調査および,評価性能項目の検討を行った.その結果,システマティックな材料性能の評価・管理を行っている例を確認することはできなかったが,また,材料選定のための支援システムの構築ためには,外装材の美観評価手法の確立が重要は要素であることを確認した. 2.外装材料のデータベース構築を目的とし,材料表面の工学挙動のモデル化を検討,外装材の形状特徴の抽出技術の検討を行った.また,美観評価は重要な要素であるにも関わらず,色彩情報のデータベース化技術は確立されておらず,撮影環境のモデル化およびデータ取得・デジタル画像正規化手法の検討を行い,再現性の高い測色技術の検討を行った.外装材の美観評価手法の開発を目的とし,現象の統合解釈手法の確立を目指し視覚に関わる各分野の文献調査を行った. 3.実外装材料データベースの構築を目的とし,1.2.で検討した手法に従い,一般的に用いられている市販の外装材料の形状測定,および色彩データ,テクスチュアデータ,濡れ性の測定を行い,昨年度に作成したデータベースを改良し,プロトタイプを提案した.
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