研究課題/領域番号 |
12450245
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
都市計画・建築計画
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
足立 啓 和歌山大学, システム工学部, 教授 (50140249)
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研究分担者 |
橋本 篤孝 大阪体育大学, 短期大学部, 教授 (70113157)
藤木 庸介 和歌山大学, システム工学部, 助手 (70314557)
本多 友常 和歌山大学, システム工学部, 教授 (20304181)
田辺 毅彦 PL女子短期大学, 助教授 (50217105)
臼井 キミカ 大阪看護大学, 看護学部, 教授 (10281271)
奥 俊信 和歌山大学, システム工学部, 教授 (20029359)
赤木 徹也 関西大学, 工学部, 研究員
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | 高齢者 / 環境移行 / 老人ホーム / バーンアウト / 痴呆 / 環境行動 / 介護 / 改築 / 特別養護老人ホーム |
研究概要 |
本研究は、建設後35年を経過して老朽化した都市型の特別養護老人ホームにおいて、同一敷地内で施設運営を続けながら、改築工事を段階的に行なった先駆的な事例を通じて、1)環境移行を余儀なくされる高齢者の日常生活行動に影響を及ぼす環境要因を検討するとともに、2)環境移行に伴う介護職員のストレスや介護動線、業務量などの変容も分析した。調査・分析にあたっては、環境行動の視点から建築学を中心としつつも、老年精神医学、老年看護学、老年発達心理学、高齢者介護などの学際的アプローチをとり、それらを総合的に評価することを試みた。 結果は以下に示すとおりであった。 1)環境条件の悪化に伴う移行によって、ADLや精神機能の高い利用者は,一時的に自室に引きこもるなど自衛的対処行動がみられた。また痴呆の場合でも、移行に伴う極度の不安と緊張の中では、むしろ一時的に痴呆周辺症状が表出しにくい場合もみられた。 2)良好な環境条件への移行によって、利用者は公的空間での会話や交流など社会的相互作用の増加を示すとともに、無為行動の減少傾向がみられた。 3)工事途中の環境移行によって、早出や夜勤業務職員の介護動線や業務量などが増加した。その結果、介護職員の心身への影響として、血圧や脈拍数などが有意に増加した。 4)介護・運営の観点から利用者側への配慮として、工事に伴う騒音や部屋割りなどの情報提供を事前に提供する重要性が指摘された。職員への配慮としては、移行に際する職員間の意見統一や情報共有の重要性、職員間で利用者に対する差異のない対応など、が指摘された。
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