研究課題/領域番号 |
12450259
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
福永 俊晴 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (60142072)
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研究分担者 |
伊藤 恵司 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (80324713)
川口 昭夫 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (30243108)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
15,100千円 (直接経費: 15,100千円)
2001年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 11,800千円 (直接経費: 11,800千円)
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キーワード | グラファイト / 中性子回折 / メカニカルアロイング / 水素吸蔵材料 / ナノ構造 / ナノ化 |
研究概要 |
グラファイトのミリングによってグラファイトがナノ化し、さらにそれが活性化することを明らかにしてきている。その研究成果が発端となり本研究が開始された。すなわち、グラファイトを水素雰囲気中でミリングすると、活性化したグラファイトと水素原子がある種の反応をおこし、ミリング初期から水素の吸収が始まることが明らかとなった。また、その時グラファイトの層間が広がっていくことから一部の水素は層間に入っていくことも明らかになった。これらの結論は中性子回折実験から明らかとされた。 ミリングによってグラファイトがナノ化した状態で、水素吸収による層間距離の広がりを示す構造因子S(Q)の第1ピークの位置の変化が中性子回折実験により観察された。さらに、動径分布関数RDF(r)からC-D相関の位置が明確となった。すなわち、グラファイトの水素雰囲気でのミリングによって非架橋炭素原子が形成され、一部の水素原子はこの炭素原子と結合するが、残りの水素原子はグラファイト層間に入っていくことが分かった。さらに非弾性散乱実験結果からもこの実験事実がサポートされた。 このグラファイト水素吸蔵材料の水素放出をTDS測定によって明らかにすることができた.ほぼ800Kと1000Kに水素放出ピークが観察され、低温のピークはグラファイト層間に存在する水素の放出、そして高温のピークは炭素原子と結合している水素の放出であろうと推測される。これらのTDSは水素ならびに重水素でも同じ結果が得られている。 これらの結果から、ナノグラファイトは水素吸蔵材料として十分に使えることが証明されたと考えることが出来る。今後は触媒をグラファイトに混入させることにより、水素の吸収・放出が容易になると考えられる。
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