配分額 *注記 |
9,900千円 (直接経費: 9,900千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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研究概要 |
マイクロ波照射による材料プロセッシングにおいては,物質のマイクロ波吸収に伴う自己発熱を利用した内部加熱や選択加熱等の熱的効果に加え,交番電磁界中での反応に起因する非熱的効果が重要である。非熱的効果に基づく現象として,高強度のマイクロ波照射下でフェライトがアモルファス化する現象があり,これはマイクロ波電磁界中での構造揺らぎに起因する。本研究では28GHzのマイクロ波を用い,種々のフェライトのマイクロ波吸収特性を評価し,スピネル組成やマグネトプランバイト組成の鉄複酸化物系において,新規のアモルファス相が生成することを見出した。また,低酸素分圧下ではマイクロ波吸収が強くなり,かつ結晶性の低下が顕著になることを見いだした。結晶性の低下はマイクロ波の照射出力を増大させても引き起こされることから,マイクロ波吸収エネルギーの増大に伴う構造の揺らぎがアモルファス化の要因であることが明らかとなった。正スピネル構造で反強磁性を示すZnFe_2O_4は,高出力のマイクロ波照射あるいは低酸素分圧下でのマイクロ波照射によって強い磁化を示すようになった。これは,マイクロ波交番電磁界中でのイオンの揺動により,(111)面がすべり面となり,この転位の導入によって結晶構造に乱れを生じるとともに,Fe^<3+>イオンが八面体サイトから四面体サイトへ移動したものと推測される。得られたアモルファス相は,同組成の結晶相に比べ,飽和磁化やキュリー点はほぼ等しいものの,抗磁力は小さくソフトな磁性体であった。このアモルファス相は熱的には安定であるが,せん断応力により結晶化するなど,特異な特徴を示した。 以上,本研究により,マイクロ波照射下でのフェライトのアモルファス化メカニズムに関する知見が得られ,かつマイクロ波吸収エネルギーを変化させることによって,フェライト相の磁化,抗磁力等の諸物性を制御できることを明らかにした。
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