配分額 *注記 |
16,700千円 (直接経費: 16,700千円)
2002年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2001年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2000年度: 11,500千円 (直接経費: 11,500千円)
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研究概要 |
本研究では,磁気光学効果を利用した電流センサの性能向上を,より低コストで実現することを目指して,磁気光学素子としてBi-YIG(ビスマス置換イットリウム鉄ガーネット)微粒子をプラスチックに分散させた光ファイバを開発することを目的とした. ファイバの作製のために必要なBi-YIG微粒子分散インクの作製には,従来分散膜で使用していたエポキシや界面活性剤の変わりに,マトリックスとなるメタクリル酸メチル(MMA)と分散剤の働きをしていると考えられるポリメタクリル酸メチル(PMMA)にガーネット微粒子を加えることによるボールミリングを用いた.また,ファイバの作製にはプリフォーム紡糸法ではなく,キャピラリー管重合法を採用した. 光学的・磁気光学的特性に関しては,Bi-YIG微粒子濃度の増加とともに,吸収係数が増加し透過率は低下するが,磁気光学特性(飽和ファラデー回転角,等価ヴェルデ定数)は増加した.また,等価ヴェルデ定数は希土類イオンドープガラスの10倍の値を有しており,出力面ではそれらを用いた電流センサの10倍の性能向上が期待できる.また,最適な使用波長は520nmであった. 次にさらなる磁気光学性能の向上を目的として,膜中のBi-YIG微粒子の分散性向上を図った.その手法として,共沈中にNaOH水溶液を添加してpHを高くかつ一定に保つこと,及び硫酸アンモニウムを添加することの2つを実施した.いずれも結晶化したBi-YIG粒子をミリング時に数十nmの粒子にまで粉砕でき,透過特性が従来法と比較して向上するだけでなく,ファラデー回転角の増加をも誘導した.それにより磁気光学性能指数は従来の2倍以上にまで向上した.断面TEM観察から,このような優れた特性の膜では20〜40nmの大きさのBi-YIG微粒子が均一に分散していることを確認した.
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