研究課題/領域番号 |
12450266
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
鶴見 敬章 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70188647)
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研究分担者 |
和田 智志 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60240545)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
16,700千円 (直接経費: 16,700千円)
2001年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
2000年度: 11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
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キーワード | 強誘電体薄膜メモリー / ヒステリシス曲線 / スパッタリング法 / ドメイン構造 / チタン酸鉛 / ペロブスカイ化合物 |
研究概要 |
本研究は、強誘電体薄膜メモリーを実現するために必要となる2つの要素技術、すなわち、1)450℃以下の低温で結晶化し優れた特性を有する新材料の開発、2)高周波領域での分極電界ヒステリシス曲線の測定手法の確立、を目的としている。1)については、チタン酸鉛-チタン酸ストロンチウム系(PST)を新しい材料として提案した。この材料をRFスパッタリング法を用いて薄膜として作製した。まず、基板温度と化学組成の関係について検討し、特に鉛成分が基板温度が高くなると再蒸発により膜中から欠損することが明らかとなった。また、基板への直流バイアス電界に関しては、マイナス電界では鉛成分の蒸着量が減少し、プラス電界では増加する傾向があっ鵡成膜条件を適切に設定することで、目標温度よりも低い430℃でペロブスカイト単相に結晶化することができた。純粋なPSTでは十分な残留分極は得られないが、ビスマスを少量添加するとリーク特性および残留分極が改善することが明らかと成った。最終的に得られた薄膜の残留分極は、20μC/cm^2以上で比較的良好であることがわかった。一方、2)については、通常のソーヤ・タワー回路では測定が不可能なため、高速動作が可能なオペアンプを用いた電流電圧変換回路を用いて試料を流れる変位電流を電圧信号に変換し、これを積分して分極を求め、分極-電界ヒステリシス曲線の周波数依存性を測定した。その結果、抗電圧は周波数により大きく変化し、周波数が高くなると増加する傾向があった。これに対し、残留分極は周波数が変化してもほぼ一定であった。抗電圧の周波数依存性はNucleation Control Modelで良く説明された。このことから強誘電体薄膜の登極反転速度を決めている過程は、分極反転ドメインの核形成過程であることを突き止めた。これにより高速メモリーを実現するための指針を示すことができた。
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