研究課題/領域番号 |
12450268
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中西 和樹 京都大学, 工学研究科, 助教授 (00188989)
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研究分担者 |
藤田 晃司 京都大学, 工学研究科, 助手 (50314240)
陣内 浩司 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 講師 (20303935)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
2001年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2000年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | 制限空間 / ゾル-ゲル法 / 相分離 / 多孔構造 / クロマトグラフィー / 有機-無機ハイブリッド / 濡れ / シリカ |
研究概要 |
シリカおよび有機-無機ハイブリッド組成のゲル試料を、薄膜状、繊維状および微小円柱の形態で相分離を伴うゾル-ゲル反応によって作製した。30μm程度までの薄膜状空間では、シリカ系においても疎水性の高い重合体が生成する有機-無機ハイブリッド系においても、空間サイズの減少とともに同一組成同一条件から生じる秩序構造の平均サイズは大きくなった。また有機-無機ハイブリッド系の試料では、疎水性基板表面におけるスキン層形成が顕著となり、基板近傍ではゲル骨格の欠乏層と円柱型骨格の形成が観察された。フルオレセインを導入したゲルの、共焦点顕微鏡による3次元観察と骨格構造の構造関数への変換によって、基板近傍では表面誘起スピノーダル波が重畳し、異方性の高い構造が生じる可能性が示唆された。また親水性基板表面でも基板近傍でのゲル骨格の欠乏層を伴う同様の構造が観察された。これはガラス表面のシラノール基と、ゲルを形成するシロキサン重合体中のシラノール基との化学結合形成によって、相分離によって形成するゲル骨格の一部が固定されることにより、重合体-基板間の反発相互作用との妥協的な構造として生じたものと推察した。キャピラリー内でも、壁面近傍のゲル骨格欠乏層が顕著に観察されたが、3次元的に拘束された微小円柱上の空間では、自由空間で形成されるものよりもはるかに細かい相分離構造が形成された。 このような知見を用いて、キャピラリー内に連続貫通孔と連続ゲル骨格からなる秩序構造をもつシリカおよびメチルシロキサンゲルを作製し、適当なメソ孔形成および表面修飾過程を経た後、液体クロマトグラフィーの分離媒体として応用した。キャピラリー内に形成された多孔体は、気孔率80%以上の非常に透過性の高い構造を持ち、圧力駆動よりも電気浸透流駆動モードにおいて高い分離効率を示した。
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