研究課題/領域番号 |
12450273
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
複合材料・物性
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
伊藤 秀章 名古屋大学, 難処理人工物研究センター, 教授 (60109270)
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研究分担者 |
笹井 亮 名古屋大学, 難処理人工物研究センター, 助手 (60314051)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
2002年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2001年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2000年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | 超高圧焼結 / 高ホウ素酸化物 / 超硬質材料 / 焼結材料 / マイクロビッカース硬度 / 破壊靭性 / 複合化 / B-C-N-O系超硬物質 / 金属ホウ素化合物 / 超高圧・高温合成 / 複合焼結体 / 研削・研磨工具 |
研究概要 |
本研究では、正二十面ホウ素クラスターが形成する菱面体構造中のキャビティー内に酸素原子・軽金属原子を取り込んだ新規の難焼結性超硬物質の高圧焼結ならびに得られた焼結体の機械的特性の向上を目指し、単相及び既存の他の超硬物質との複合体に関する研究を行った。以下に当該研究期間に得られた主な成果をあげる。 1.高ホウ素酸化物B_6Oの高圧焼結とダイヤモンドとの複合化 高い機械的強度と化学的安定性に加え、近年ではその熱電素子としての可能性にも注目が集まっているB_6Oは、その焼結体の作製が非常に困難であることに加えて、得られた焼結体の破壊靭性が低いために実用材料としての利用が未だ進んでいない。本研究では、このB_6Oに高温・高圧焼結法を適用することにより単相焼結体の作製を試み、それに成功した。これにより単相焼結体の機械的特性の詳細を明らかにすることが出来たが、破壊靭性に関しては実用のレベルには達しなかった。この破壊靭性の改善を硬度の低下なしこ行うために、硬質物質であるダイヤモンドとの複合化を行ったところ、微粒なダイヤモンドとの複合化によりB_6Oおよびダイヤモンドの高い硬度を低下させることなく、破壊靭性が向上できることが明らかとなるとともに、10^<-3>S/cmという高い電気伝導を示した。 2.AlMgB_<14>の高圧焼結と複合化による高靭性化 AlMgB_<14>は、B_6Oと同じ構造をもつ超硬物質であり、構造及び単結晶の研究から高い機械的強度を示すと考えられているが、焼結性が悪いために緻密な単相焼結体の作製が困難であり、その研究も進んでいない。本研究では、このAlMgB_<14>に高温・高圧焼結法を適用することにより緻密な単相焼結体の作製に成功し、機械的特性の評価を行った。その結果、AlMgB_<14>焼結体はB_6O同様高い硬度を示すものの破壊靭性の非常に低いものであることがわかった。この破壊靭性の低さを硬度の低下をなるべく抑えた形で改善するために、既存の硬質物質であるTiB_2及び前述のB_6Oとの複合化を行ったが、破壊靭性の向上はほとんど見られなかった。これに関しては、混合条件および焼結条件をはじめとする複合化の条件のさらなる最適化が必要であろう。
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