研究課題/領域番号 |
12450274
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
複合材料・物性
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉田 起國 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (70027142)
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研究分担者 |
上田 静政 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (00093196)
蜂谷 寛 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (90314252)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 非オーム性抵抗 / 不均質ナノ構造 / 複合銅酸化物高温超伝導体 / パーコレーション / 超伝導ネットワーク / 負性抵抗 / ナノ複合材料 / 非オーム抵抗 / 高温超伝導体 / 複合銅酸化物 / ナノクラスター / 銅酸化物 / 高温超伝導 / 化合物複合体 / プラセオジム |
研究概要 |
2種類の銅酸化物からなるナノ構造複合体において、特異な非オーム性伝導が見出された。この現象は、絶縁体であるPr系銅酸化物(PBCO)と超伝導銅酸化物(RBCO、Rは、Gd、Nd、Ho等の希土類元素)の混晶複合体である複合銅酸化物R_<1-x>Pr_xBa_2Cu_3O_y(RPBCO)において、Pr濃度領域の違いに応じて、電気抵抗が次のような振舞いを示す現象である。(1)Pr低濃度領域では抵抗は電流と共に増大する非オーム性を示し、電流のべき乗(パワー則)に従う。(2)より濃度が高くなると、オーム性抵抗が現れる。(3)さらに高い濃度領域では、抵抗は再び非オーム的となるが、電流増大にともなって抵抗が減少する(負性抵抗)。(1)は、超伝導相のネットワークが電流増大と共に段階的に分断される過程により説明される。(3)の負性抵抗は、孤立分散する高伝導相クラスター間の空隙における局所的ジュール熱によって説明される。(2)のオーム性抵抗は、該当する濃度では分散クラスターの分布密度が高いため高伝導性クラスター間の空隙(高抵抗部分)における局所的なジュール熱の発生が弱くなることにより説明される。複合銅酸化物のような固溶体においては、ナノスケールのパーコレーション構造を形成していると考えられるが、この抵抗の挙動はこのような不均質構造の変化にまさしく対応している。我々のこの発生機構モデルは試料にクラックを導入することにより生じる著しい抵抗変化により実証された。YBCOとPBCO結晶粒の混合複合体のような不均質系では固溶体相YPBCOが両者の結晶粒界近傍に形成されるため、試料作製時の焼結温度、焼結時間、組成比などの変化により、組織を制御し、多様な伝導特性を発現させることが可能であることを明らかにした。Pr濃度が希薄な領域では、磁場中での臨界電流が増強され、磁場誘起型ピニング効果の発生を確認した。
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