研究課題/領域番号 |
12450285
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
間渕 博 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70109883)
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研究分担者 |
森井 賢二 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10101198)
松井 利之 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20219372)
津田 大 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (80217322)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2000年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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キーワード | 軽量耐熱材料 / チタンアルミナイド / 耐酸化特性 / 傾斜機能材料 / 結晶構造制御 / 粉末パックコーティング / L1_2型金属間化合物 / スラリー法 / 耐熱化特性 / 延性改善 / L12型金属間化合物 |
研究概要 |
高効率を目標とする各種エンジン用の新しい軽量耐熱構造用材料として要求されるものは第一に軽量性であり、さらに耐酸化性が求められる。現在、最も有力な候補材の一つにTi-Al系金属間化合物のTiAl合金(L1_0型、γ相)があり、すでに自動車用エンジンバルブ、ターボチャージャーなどに実用化されつつある。しかし、この材料は耐酸化性が必ずしも十分でなく、耐酸化処理を施さなければ高温での使用は800℃が限界とされている。したがって、本格的な実用化を達成するためにはTiAl合金に耐酸化性の皮膜をコーティングする必要がある。 一方、TiAl系金属間化合物の中には、きわめて優れた耐酸化性を有するAl_3Ti(正方晶、DO_<22>型)がある。この金属間化合物はTiAlよりさらに軽量であることから、次世代の軽量耐熱材料として期待され、また、TiAl合金に対する耐酸化性皮膜として研究されている。しかし、Al_3Tiは複雑な結晶構造であるためきわめて脆性的であり、このままでは軽量耐熱材料としても耐酸化性物質としても適用できる状況でない。そこで、申請者らは、Al_3Tiの複雑な結晶構造を、第三元素を添加する方法で単純な結晶構造(面心立方晶、L1_2型)に改変させて脆性を改善する研究を行った。この結果、Al_3TiにCrおよびMnを比較的多量(13〜16mol%)に添加したL1_2型Al_3Ti基合金は良好な組織と延性を示すことを見出した。さらに、Ti-Al-Cr系およびTi-Al-Mn系におけるTiAl合金(L1_0型)とL1_2型Al_3Ti基合金の間の相平衝関係(状態図)を作成して調べたところ、両相が互いに平衡相として存在できることがわかった。それゆえ、L1_2型合金をTiAl合金に対する耐酸化性の傾斜化皮膜(組成および組織が傾斜した皮膜)として使用できると考え、各種コーティング技術の開発研究を行った。 この結果、申請者らは各自に開発した粉末パック法により、耐酸化性のL1_2型(Al,Cr)_3Ti合金がTiAl合金基板に傾斜化した皮膜として良好にコーティングできることを見出した。この方法は、粉末パック材としてあらかじめ作製したL1_2型(Al,Cr)_3Ti合金の粉末のみ使用し、パック材の焼結と拡散によって皮膜を形成させるもので、塩化アンモニウム等の活性化剤を使用しないのが特徴である。本研究では、さらに簡単なコーティングプロセスの開発を目的に、上述の合金粉末からなるパック材の代わりに、L1_2型(Al,Cr)_3Ti合金組成に配合したAl, Ti, Crからなる混合元素粉末のスラリーを用い、これをTiAl合金に塗布して加熱する方法によりコーティングすることを試みた。即ち、元素粉末間の燃焼反応によってL1_2型(Al,Cr)_3Ti合金をその場で合成し、これを基板に拡散させて皮膜を形成させた。この方法により、実用可能な耐酸化性の傾斜化皮膜を作製することに成功した。
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